パングロス

女奴隷船のパングロスのレビュー・感想・評価

女奴隷船(1960年製作の映画)
3.8
◎新東宝末期の掘出し物 見どころ満載南洋西部劇

1960年 新東宝 カラー 83分 シネマスコープ
*若干褪色気味なるも鑑賞に支障なし

大蔵貢社長が解任される年の新東宝お正月総天然色ミリタリー菅原文太&女奴隷船クィーン三原葉子&海賊頭領シルク丹波哲郎御大映画。

実際こんな感じなのだが、どこか微妙なB級感漂う『女奴隷船』のタイトルよりも内容盛りだくさんで、新東宝エンタメ要素全部載せで、正直ふつうに面白い。

先輩レビュアーの方も言っておられる通り、意外な掘出し物だし、一見の価値がある。

【以下、一応ネタバレ注意⚠️】







とにかく次から次へと慌ただしいほどに見どころを載せたせいで、「あれっ? このシーン、さっきも観たはずだけど‥」が延々繰り返されるきらいは否めないけど、その分飽きずに楽しめる。

あたかも「脱いだらスゴい」の三原葉子のナイスバディ(も、お得意の妖艶なダンスとともに拝めちゃいまっせ!)のように、タイトル詐欺ではなく「観たら意外に面白い」作品だ。

それに、老練な渡辺宙明の音楽も的を外さず、特に終盤の菅原文太兄ィ率いる女奴隷軍と、きらきらシルクシャツ着込んだ丹波哲郎ボス率いる海賊軍団との西部劇仕立ての銃撃戦のBGMが最高。
『シン・ゴジラ』の終盤、ヤシオリ作戦のBGMとして伊福部昭の「宇宙大戦争マーチ」がかかるのと、おんなじような快感が味わえます。

文春連載の春日太一氏もお薦めの一篇です。

《参考》
*1 女奴隷船
1960年1月3日公開、83分
moviewalker.jp/mv26320/

*2 『ワンピース』のように全編で暴れる正義漢や妖艶なリーダー、海賊団!――春日太一の木曜邦画劇場
『女奴隷船』  春日 太一 2023/06/20
bunshun.jp/articles/-/63645?page=1

*3 ヒロインアクションの復権を!
【新東宝】女奴隷船 2013/07/22 05:30
blog.livedoor.jp/shimma/archives/51789491.html

*4 人生・嵐も晴れもあり!
菅原文太の映画 「女奴隷船」 若き日の菅原文太主演作品! 軍人姿の文太が南シナ海で大暴れ!
2021-06-13 13:48:29
ameblo.jp/southerncrossagency/entry-12680175663.html

*5 日のあたらない邦画劇場 女奴隷船
home.f05.itscom.net/kota2/jmov/1997_02/970220.html

*6 幻想館 女奴隷船
www.ne.jp/asahi/gensou/kan/eigahyou20/onnadoreisen.html

*7 大衆文化評論家指田文夫の「さすらい日乗」
『女奴隷船』 2013/2/8
sasurai.biz/0002792.html

*8 夜陰座 「女奴隷船」
2022/07/18 01:04
blog.livedoor.jp/nightshadowtheater/archives/31003490.html

*9 放出美級迷画座 新東宝のアクション映画
www2u.biglobe.ne.jp/~kazu60/zanmai08/fuzoku1.htm

《上映館公式ページ》
シネヌーヴォ日本映画大回顧展
新東宝 映画まつり
 Preseted by 新東宝キネマノスタルジア
2024.7.6〜9.6 シネ・ヌーヴォ
www.cinenouveau.com/sakuhin/shintoho2024/shintoho2024sakuhin4.html
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