takanoひねもすのたり

誘拐少女のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

誘拐少女(2014年製作の映画)
2.6
DVモラハラ親父と離婚し、母と暮らす高校生と中学生の姉妹。
大学進学をしたいが経済面で不安がある姉はつい愚痴をもらしたところ妹が言う。
「あのクソ親父のところからお金を盗ってやればいいじゃん」
という青春クライムサスペンス。

中学生の妹ちゃんのほうがトラウマが酷く、父親へ復讐することで、抱える苦しみを解消したいと考えてるんですね。

高校生の姉のほうは、妹の怒りの剣幕に怯みつつ、犯罪に加担する。

とはいえ10代が考えた犯罪なので、行き当たりばったりだし、詰めも甘い。
最後もがっつり怒られる展開に。

血の繋がりは消せないし、心からヘイトする親父と将来同じ道を辿るかも知れない不安。
自分達を育てるためひとり頑張る母親へ打ち明けられない進学費用の問題。

離婚は妥当ですが、おそらく夫への意地もあり仕事に舵を切っていた母親(慰謝料は貰ったが養育費は拒否した)は子供達の感情の機微に気がつけなかったような気がします。

母親を待たず、すたすたと家に戻る姉妹の後ろ姿に、親離れと、少しタフネスになった心を感じました。