TakahashiKie

皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇のTakahashiKieのレビュー・感想・評価

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メキシコの麻薬戦争の現状をフアレスの警官とナルココリードのアーティストから見たドキュメンタリー。

ギャングってヤクザみたいなもんじゃないの?と思ったら、もう国家対ギャングみたいなくらい規模がデカかった。43人の学生がデモをして全員殺されたのも、地元警官と市長夫妻が絡んでたし、ほんとうに救いようのない話。

警察官の同僚が年に4人もギャングに報復で殺されるが、警察は基本ギャングに癒着しないと殺されるから捜査も進められない。息子を16つのパーツにバラバラにされて殺された母親の叫びは悲痛だった。それなのに若者はギャングにあこがれる。何も知らない国境の向こう側のアメリカではナルココリードが大ブーム。小さい子供ですらAK銃という単語を放つ。神格化されるギャング文化。一般市民のわたしからすれば、めちゃくちゃ辛いしもどかしい。

死体の映像もバンバン出てくるし、これを映画にすることすら危険なのではと思ってしまうけど、素晴らしい取材力と編集力で伝えられていると思う。

上に向かって銃撃つと、弾はどこに落ちるんだろ…
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