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恋人たちのotomisanのレビュー・感想・評価

恋人たち(2015年製作の映画)
3.5
 心ここにあらぬうちに人を殺してしまったら民事でも敗けはしない?
 アツシ君は弁護士4人に断られて、5人目でやっと取り合ってもらったら、今度は弁護士都合「辛くなっちゃう」のでキャンセルを食らう。公的保険の払いも止めて貢いできたのに弁護士料、時間5万円は返してくれるんだろうか?誰もそんな疑問をもって加勢してくれるやつがいないのか?
 このように、アツシ君には妻を殺した通り魔男、役場の胸先三寸職員、つらい弁護士と仇が増えて次は誰だろう?職場の先輩は殺したらもうこうして話もできないだろ、というがどうなんだ?余計なお世話だぜとこの人で4人目となるのか?

 アツシ君のほか、倦怠気味な夫婦関係と木野花似の姑にギスギスしたパート先を持つ主婦の危ないよろめき話が出て来て、更に、つらい弁護士まで同性愛に関わる悩みを打ち明けてくるのが鬱陶し気で、アツシ君にどう絡むのか謎めいたまま終わるから不思議だ。
 自分も含め誰も殺せそうにないアツシ君の失意の中、グラウンドレベル以下、高速のフタの隙間から見上げる日々の青空が何の意味を担っているのだろう。左翼活動の火薬扱いの失敗で左手をなくした先輩が殺すなと諭すのも何の役に立つのだろう。ついでに、つらい弁護士もセレブな女子アナから温かい心情を誤解されて、愛を失い続ける我が身の拙さにでも気付くのだろうか?それでアツシ君の事でも思い出すというのだろうか?
 とうとう主婦だけ夫婦の事は夫婦任せにして、なるようになるさと放り出された感じがあまり腹立たしくないのはなぜだ?
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