Denkishino

独裁者と小さな孫のDenkishinoのレビュー・感想・評価

独裁者と小さな孫(2014年製作の映画)
3.7
クーデターによりその座を追われた大統領とその孫の逃亡譚。

冒頭の行いでは独裁の全貌は見えませんが、贅沢を尽くし、反逆に怯え、家族は大切に思い、国民の為を思ってはいない訳ではない独裁者。端々の話で、何代か続いている様です。
このキャスティング面白いです。生活の様相はケバさ甚だしいですが独裁者本人は悪人ヅラではない。孫も可愛い。ただ独裁者が逃げ、その間に自分のした事を反省させるだけなら誰でも撮れそうですが、このキャスティングが物を言っている気がします。だから初めは傲慢でも段々寧ろ助からないかと思ってしまう。ラストはあのカダフィ大佐が引っ張り出され武装した民衆に取り囲まれるようでも、隠れていた穴蔵のフセイン大統領のようでもある。そして流れる彼の歌声は素晴らしい。BGMがとても哀愁もあり、その場にとても相応しい物でした。
独裁者の末路はそんなものだと言う反面、それに従った民衆もそんなもんだと釘を刺されている感じです。民主化の為に踊らせよう。果たして踊ったのでしょうか…
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