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ビューティー・インサイドのFHTのレビュー・感想・評価

ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)
4.9
再投稿!
ストーリーはざっくり書いたので、気になる人は是非見て欲しい!


この作品最大の魅力は、外見から好きになる感情、内面から好きになる感情、その二点が同じ登場人物で描かれている。このトリックは本作の主人公 ウジンの病気とも思われる不可思議な症状によって完成されている。
ウジンは18歳の頃から眠りにつくと顔も体も別人になってしまう病気にかかっている。

時にはイケメンに、時にはブサイクに、時には老人に、時には女性に、時には外国人に、時には子供に。。と幅広く変化する症状だ。
体も痩せていたり、筋肉質だったり、太っていたりする。

そんな彼は家具職人。唯一の理解者の友人と2人で経営をしている。
家具はネットや電話でのやりとりで成立するように仕組まれており、誰にも気付かれず商売ができるのだ。

ある日彼がある家具屋に行くと、そこには誰が見ても美人な女性 イスが働いていた。

そんな彼女と商品を通じて会話するこの数分が彼にとってはとても贅沢な時間だった。
彼は毎日姿が変わるので、本人に気付かれずに新鮮な会話を楽しむことができた。
そして誰に対しても親切に笑顔で接客をする彼女に次第に惹かれていく。

ウジンは思い切ってデートに誘おうとする。その為イケメンになるまで寝ては起きてを繰り返し、、

とうとうイケメンの姿で朝を迎えることが出来たのだ。
その日家具屋に訪れ、いつも通り気持ちのいい接客を受け家具を購入。その荷物を車に詰めている時にデートのお誘いをする。
寝たら姿が変わるので絶対に今日ではならなかった為、半ば強引に彼女をご飯に誘う。
そして夜を迎えお別れの時。

また明日会いましょうと別れを告げ、この日は去る。
イスは彼に興味を持ち、嬉しそうに帰宅する。
一方ウジンは寝たらダメだ寝たらダメだとどうにかして起きていようとエナジードリンクをたらふく飲み朝まで過ごす。


そして次の日のデートで彼は雑貨屋さんに行く。隠しているがここは彼の母のお店。そしてイスはある指輪が気になり手を伸ばす。その指輪は偶然にも彼の指にも包まれていたのだ。

その日の夜、また明日会えないとイスに問う。
イスは明日は母の命日だからまた今度。とバスに乗り別れる。
ところがバスが走り出す瞬間、ウジンはバスに乗り、朝ごはんはダメ?と聞く。 ハニカムイス。 この辺もう最高すぎるよー!ニヤニヤが止まらん!
そして自宅の前で初めてキスを交わす。

ところが、その帰り。
ウジンは睡魔とイスの心を掴んだ安心感で眠りに落ちてしまう。
そして起きたらイケメンとは言い難い顔になってしまっていた。
この後、待ち合わせ場所に待つイスの隣で違う姿になってしまったウジンがいるシチュエーションが本当に切ない。もちろんイスは気付かず、待ち合わせ時間になっても来ないウジンを心配がる。すぐそばにいるのに何も出来ないもどかしさ。
そしてイスはその場を去ってしまう。

これで全て終わりだ。
"ごめん。約束を守れなくて"と変わり果てたウジンは悲しくもメールを送る。

ここまでが一幕。

そして二幕

ウジンはイスに気付いて欲しくて2人で発想を出し合った音楽の聴けるテーブルを作る。
そしてある日、チェギョンとしてイスの職場に働きに行く。

チェギョンはイスに話がしたくて声をかける。
そしてあり得ないような真実をイスに話す。
今まで撮りためた動画を見せても、イスは信じてくれなかった。

起きたら顔が変わるなんてことが信じられない感情と、もしかしてという感情が交差する。

そしてイスはチェギョンの家をまた訪ねた。
出てきたのはチェギョンさんではない女性だった。
ここ大事なシーン!しかもウジンさんを上野樹里ちゃんが演じる!

イスはその日一緒に寝てウジンが本当に姿が変わるのを見たいと言い、その日を過ごす。

そして朝、ウジンの言った通り姿が変わりイスはそんなウジンを受け入れ恋が発展する。

真実の愛とは何か。
明日も会えるというと言うことがどれだけ幸せな事か。

分かり合えた2人はさらに惹かれあい距離を縮めていく。

だが、イスにはイスなりの悩みがあった。
毎日姿が変わる彼を受け入れるのは思った以上に時間がかかる上、精神的にもしんどくなっていった。
何故かというと、彼氏ができたと職場の人に言うと連れてきて欲しいと言われる。連れてきた彼はその日しか存在しない。また連れてきてと言われた時や、たまたま街ですれ違った時はどう言えばいいか。
真実を言うものも冗談や言い訳に繋がってしまうのが怖かったり。
そして、街で待ち合わせしても、姿がわからずふと手を掴まれてウジンだと言われても受け入れる時間がかかり精神に負担が掛かっていく。
愛しているのに、自分が追い込まれていく。

ウジンはイスが姿変わる自分を受け入れ彼女になってくれた事を嬉しく幸せに思っている。
だからこそ舞い上がっちゃってちょっかいをかけたり、冗談で驚かせたりしていた。
そんな行動をするウジンにイスは怒ってしまう。

ウジンは我に帰り自分勝手な行動を反省し、イスの心の広さを噛み締め二度としないことを誓う。

だが、イスの精神状態は不安定のまま。
きつい睡眠薬を服用し続け次第に倒れてしまう。
そこでウジンは自分が傍にいる事で彼女に負担を掛けてしまっていると思い始める。
イスを愛しているのに。

ウジンは母に相談すると、母はこう言う。
「私の旦那も毎日姿が変わる病気だった」
母はそのせいで色んな人に"毎日男を入れ替えてる女"と陰口を言われ、精神状態が不安定になって旦那と離れる事にした。

その状態にイスは今なっている。
ウジンはイスから離れたほうがいい。と言われウジンはイスから身を隠すようにした。
イスの幸せの為に。

イスはウジンと別れるが、やはり好きな気持ちが抑えきれず泣き崩れる。
何をして何を言われただとか、何時に何を食べたり、どこに行ったりは明確に覚えているのに彼がどんな顔だったかは思い出せない。毎日姿が変わる彼をもう見つける事は出来ないと絶望する。

ウジンも好きな気持ちが抑えきれず、ただ、自分のせいでイスを苦しめたくなかった為連絡をせず身を隠している。

そんなある日、イスは仕事でウジンの働いていた家具屋を訪ねる。そして彼がチェコに行った事を知る。

その日イスは母に先立たれた父にこんな質問をする。
「お母さんに会いたくならないの?」
「お母さんが生きていたら何がしたかった?」
すると父はこう語る。
「一緒に歳をとりたかったなー」
亡くなっても母は心には生き続けるが、時代はその時のままで自分だけが年老いていく。

その言葉を聞き、イスはウジンと人生を共に生きていきたいと決心する。


そしてチェコに行きラストシーン。
めちゃくちゃ好き!!
ウジンは自分の身を隠そうと"ウジンと言う人はいません"とイスに言うもイスはウジンの温かみや優しさを知っているので気付かれてしまう。
イスはウジンに「私はもう大丈夫。ウジンに会えない方が辛いの」と言う。

そしてプロポーズシーン。
イスの人柄の良さと心の広さ全てが出てる最高のシーン!!
ボロボロ泣きました。
ただただイスがたくましい。
色んなウジンがイスに近寄っていく演出めちゃ好きでした。

エンドロールも余韻に浸れるような作りで最後まで楽しめました。
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