ハンコ課長

クリード チャンプを継ぐ男のハンコ課長のレビュー・感想・評価

3.5
冒頭、白い壁の前に少年たちが整列しているといきなりブザーが鳴る。テロでも起きたかのようなこの一瞬の緊張感と乾いた空気の中、カメラが進むと殴り合いをしているガキがいる。この時点で、「あ、この映画はちょっと違うな」っと感じた。

キラキラとした色調でアメリカンドリームを追うのではなく、日常の乾いた空気の中から徐々に上を目指す視点が良い。
カメラマンが特に優秀で、初めての対戦をカメラがグルグル回りながらワンカットで描き切った手腕は出色だろう。

70年代のガムシャラな精神はそのままで、最新の映像技術もヒップホップミュージックも取り入れつつ、突っ走って行く様は時代の進化と、名作に対するリスペクトを感じた。

クライマックスの試合も手に汗握る演出で、ドクターが指を数えさせるとこなど、細かい笑いを交えて、最後は見事に感動することができた。
ハンコ課長

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