ハンコ課長

かがみの孤城のハンコ課長のネタバレレビュー・内容・結末

かがみの孤城(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

とても良い話だった!
学校の図書館においておきたい道徳の見本のようだ。

見る前のイメージで勝手に異世界に冒険する少年冒険モノだと思っていたが、
現実といかに向き合うかという実世界に根ざした物語だったのが予想外だった。

まず主人公の少女がとにかく愛おしい!!変な道にハマってしまう危険もあるほど可愛い!!
学校に通っていないのだけど、クラスで巻き込まれてしまったトラブルが生々しくて、息が詰まってしまう。

童話のような世界でありながら、悪いヤツはどこまでも黒いクズで、改心したふりこそすれ、安易に和解などしない厳しさが物語に深みを与えている。先生や周りをたぶらかしながら、自分の都合で嫌いなヤツを撤退的に追い込んでいく汚さに身の毛がよだつ。
教師の放つ「誤解があった」というコトバや、靴箱の手紙に底知れぬ理不尽さが漂う。


そしてキラリと光ったのが、おデブちゃんだ。よく「イジメられるほうにも原因がある」という詭弁があるが、そのコトバを肯定しそうになってしまうほど、ギリギリのトンチンカン具合が、リアリティがあって考えさせられた。

近所の子の「たかだか学校くらいで」という、中学生にしては達観しすぎなセリフが主人公に啓示を与えるシーンは圧巻!そうなんだよね、学生のときって学校が全世界の全てなんだよね。でもそれをやすやすと超えた世界を突きつけるのは最高でした。

外の世界の力で現実を変えるのではなくて、自分の力で一歩わ踏み出していく姿には勇気をもらい、力が湧き出てきた。
ハンコ課長

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