KnightsofOdessa

下層都市のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

下層都市(1946年製作の映画)
2.5
[インディアン・ネオリアリズモの萌芽] 50点

インド映画として最初で(現状)最後のパルムドール受賞作品であり、世界的にインド映画の存在を知らしめた記念碑的作品。とは言ってもこの年はパルムドールが10本くらいあるのであんまり当てにならないが。冒頭に"国際映画祭に出品された作品で、曲は一つだけでダンスはありません"というテロップが流れるほど、国内の文脈からは外れていたようだ。ちなみに、ダンスは二回あった。マクシム・ゴーリキー『どん底』を基にした本作品は後のパラレル・シネマの先駆けとして社会派映画の礎を築いた作品でもある。基本的には偉ぶる地主の家での会話劇が中心になるが、たまに外に出るとドヴジェンコ『大地』ばりの空のショットが登場して驚く。扇情的なアップショットはカラトーゾフの顔アップをクレショフ工房っぽく編集してたのも印象的。松明を持った群衆が夜に結集するショットは、流石インド映画という圧巻のエキストラ数を誇る。

インド映画ってどんなレア度でも出回ってる確率が非常に高くて助かる。
KnightsofOdessa

KnightsofOdessa