ゆあ

アリスのままでのゆあのレビュー・感想・評価

アリスのままで(2014年製作の映画)
4.5
【脚本】★★★★☆
【設定】★★★★☆
【映像】★★★★★
【音楽】★★★★☆

若年性アルツハイマーを患った元言語学者のアリス(ジュリアン・ムーア)が、家族と共に、運命に立ち向かう愛の物語。

日常が失われていく恐怖の中、懸命に闘うアリスの姿には心が痛み、息が詰まる思いでした。
ジュリアン・ムーアの秀抜な演技に魅入り、スピーチのシーンでは思わず涙。
主演女優賞を受賞したのも納得の名演でした。
演技の幅が広い、素晴らしい役者ですね。

「綺麗に描きすぎている」という意見もあるようですが、この作品が描きたかったテーマは"愛"であり、病気のリアルではないことを考えると、これで良かったのだと思います。
ラストは少々モヤっとする終わり方ではありますが、「以降は病気の進行が進み、記憶から家族が完全に消えてしまう=アリスがアリスでなくなってしまう、故に物語はお終い」というのが私の解釈です。
タイトルが"アリスのままで(Still Alice)"であることからも、そのように捉えるべきかなと考えました。

美しくも儚い、静かなお話。おすすめです。
ゆあ

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