Makiko

アリスのままでのMakikoのネタバレレビュー・内容・結末

アリスのままで(2014年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

若年性アルツハイマーで家族性=子どもに遺伝するという珍しいケースの話。
自分のせいで家族をすでに苦しませているのに、これ以上迷惑をかけるくらいなら死んだ方がマシ、と考えて大きな決断をするアリス。気高い、というかプライドが高いという表現の方がふさわしいかと。あまりにも悲しい。
今まで積み上げてきたものが壊れてゆくのを見ているしかない当事者の苦悩を、間接的に見せられるのが切ない。

そして、この作品では表面的な描写にとどまる「患者家族のつらさ」への想像が広がり、二重にキツイ。
2回目に観ることがあれば、発症する遺伝子を持つ長女・持たない長男・検査を受けなかった次女それぞれの「母への接し方」に注目して観たい。

近い記憶が自分から遠ざかり、遠い記憶が自分に近づいてくるというのが、こういった病気の特性。まるで夢の中で生きるみたいだ、と想像した。生きた心地がしない。自分や身近な人が、もはやそれまでの自己とは別のなにかになってしまったとき、「愛」と思い出を支えにお互い頑張れるだろうか。まったく自信がない。
Makiko

Makiko