トラウマになるわ笑
二度と観たくない笑
言うまでもなく楽しい映画ではないし、かと言って面白かったという感想とも違う。
ただすごいものを目の当たりにしたという抽象的な言葉しか出てこないというような作品でした。
"これがこの場所のリアルだから"と突き放すようにカメラが静止し客観的な視線に切り替わるところや、かすかにズゥーンという低音と太鼓の音がバックで流れることで、不安感、緊張感そして捉え方によってはこれから何かとんでもないことが起こるのではという高揚感を煽る作用を持っているところなど細部まで作り込まれているなぁと思いました。
終盤に展開される作戦を描くにあたって、沈んだ太陽が残す夕焼けをバックにシルエットだけが動く画がどこか幻想的で美しかったです。
また、ベニチオ・デル・トロの存在感がハンパない。顔がむちゃくちゃ怖い。あんな顔で尋問されたら全部しゃべっちゃうよ、ぜーんぶ吐いちまうよ。
そして彼が演じたアレハンドロというキャラクターの強さと闇。リアリティ重視に感じられた今作において若干フィクション寄りに見える彼のキャラクターでしたが実際にあんな奴がいてもおかしくないと思わせる演技と作品の雰囲気でした。
最初から最後までどういうテンションで観るべきなのかとても悩む映画でしたが、むしろその捉え方こそ行き過ぎた善が悪に変わる境界線を描く今作に合ってるのかも。
唐突に銃撃戦が始まったりいきなり人が撃たれたり、かと思ったら何も起こらないシーンが続き急にまた人が撃たれる。
終始気を抜くシーンは無く全編にわたって緊張しっぱなしの約2時間。記憶に残る強烈な作品でした。
