まず、映像作品として本当にすごい映画。
音楽の高揚感、パフォーマンスの華やかさ、王道だけどそれ故に引き込まれるストーリー。
ただ、この作品の凄みはそれだけではなく、昨今手垢のつきまくった、「多様性」という言葉を改めて考えさせられる映画でもあります。
史実上のバーナム、および初期の「サーカス」は身体的なマイノリティの人達を面白おかしく展示する、差別の象徴、みたいな捉え方をされてきましたが、この作品を見ると、違う見方も出てくるのだなと思い知らされます。
自分のユニークさに蓋をして、「普通」になることをよしとするのではなく、
マイノリティが、そのユニーク性を発揮してそれが受け入れられる、そんな世界観がこの映画にはあります。本来多様性ってそういうものだよな、と。