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グレイテスト・ショーマンのyukikaのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
3.6
ミュージカル映画をどういう気持ちで観たらいいのか、理屈屋のわたしは未だによくわからないでいるのだな、というのが最初の感想。

特に悪いところなんてなにもなくて。
音楽はとてもいいし、歌声もとてもとても魅力的。
ミュージカル仕立てにしているからこそ表現できる時間経過があるのも、よくわかる。
でもその分どうやったって、物語の深みは失われてしまう。
なによりもわたしが気になって仕方がないのは、人の心の動きや、人と人との結びつきの推移が3〜5分の曲の間で済んでしまうってことなんです。ここをどう乗り切るんだろう?どう説得する?ここで相手の心を動かすのは大変だぞ?というところに限って、曲。…&曲。
ま、そりゃそうか、ミュージカル映画なんだから。
でも、辻褄を合わせること、人の心理の移り変わりを追うことが好きなわたしには、これはやはり唐突で、物足りなさを感じてしまう。見応えのある部分を歌で早送り再生されてる気分です。

もちろん、そこは長短表裏一体で、だからこそテンポ良く見せられるし、重くならずエンターテイメントとしてライトに作品を楽しむこともできる。完全に好みの問題なのもよくわかる。

今作は、言ってしまえば本当によくあるサクセスストーリーで、正直頭からお尻まで、展開はすべて読めてしまう。目新しいところがなにもないストーリーです。それをミュージカルにすることで、観客を楽しませる作品に昇華しているんだと思うし、逆にこの単純明解なストーリーだからこそ、ミュージカル映画として成立したのだろうとも思います。
ツッコミどころもいっぱいあったけど…たぶん、それは言わないお約束、こまけぇーこたぁいいんだよ!ってやつなんだろう。

余談ですが、いっそ突っ込みたくなるほど善人すぎる善人カーライル氏が、山田涼介氏にしか見えず、昨夜某ドラマを観てやっぱりカーライル氏だと思ったのはわたしだけじゃないと思いたい。笑


おススメしたい人
・ミュージカル映画が好きな人
・頭カラっっぽにして、映画を楽しみたい人(BGMとしてもおススメ)
・サクセスストーリーが好きな人

おススメできない人
・理屈っぽい人
・重厚なストーリーを求めている人
・ミュージカル嫌い
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