一家が引っ越してきた家は、邪悪な妖精の住む訳あり物件だった。

ジャケの愛くるしい生き物は出てこない…ボロ布をまとった人間…いえいえ、アナログな厳つい顔の妖精が。皆でせっせと壁を登り、ロープを引っ張る姿に段々愛着がわいてきました。

憧れの一軒家に引っ越してきたラッセル一家。庭には古いドールハウスが建っており娘のジーナは夢中になるが、その中には得体の知れない何かが潜んでいるのであった。

ラッセル一家を恐怖の渦に陥れるのは人間ではなく邪悪な妖精たち。よくある屋敷系ムービーに童話性がプラスされた変わり種である。まあ地下室に潜む邪悪な妖精というと『ダーク・フェアリー』を彷彿とさせるのだが、妖精たちの描写が意外としっかりしている点には非常に好感が持てる。だからこそ妖精たちの出番が後半だけというのは非常に勿体ない気がしてならないのだ。

それにしてもマルコム・マクダウェルはテレンス・スタンプに見えてきて色々ヤバいな。

夢のマイホームを購入し引っ越したメグとその家族。娘のシーナは庭にあるドールハウスに夢中になるが、やがて妖精と友達になったと奇妙なことを言い出し…というストーリー。
引越した家で邪悪な妖精に襲われるファンタジーホラー。「ダーク・フェアリー」やそのオリジナルの「地下室の魔物」の様な小さい人型の怪物が集団で襲ってくるモンスター物ですね。
残酷なシーンもなく、犠牲者も少ないので過激なホラーを見たい方には物足りないでしょうが、脚本がいいのか妖精が姿を現さない前半も退屈せずに見れました。基本的に主人公一家の周りだけで話が展開するのでスケールも大きくはないですが。
主人公であるメグは最初妖精の存在に懐疑的ですが、やがて信じていきます。でも、勝手に病院から患者連れ出すのは無茶し過ぎ(笑)あそこは医者のいう事がもっともではあった。息子は女子目当てて合唱部入ったりチャラいですけど、妹思いでしっかり守ろうとしてていいお兄ちゃんでほっこりします。お父さんは後半、メグのいう事信用するのが急すぎてちょっと困惑しました。
求人募集を見てきたと嘘をついて勝手に家の修繕作業始めるいい顔した爺さんヘイゲンや家に引きこもって火事の記事ばかり集めてる変人老人や精神病院に入院している妖精の絵ばかり描くおばさん(実は家やヘイゲンと関係が…)等脇キャラもキャラ立った人がいるのも良いですね。親身に相談に乗ってる優秀な医者、と思いきや日検体としか見てない嫌味な精神科医役でマルコム・マクダウェルが出演してます。
妖精もゴブリン系の醜悪な顔してます。というか、あんな顔の妖精とは中々友達になろうとは思わないでしょう(笑)猫を木の枝で作ったおもちゃで誘き寄せて惨殺したり、盗んだドライバー地面から突き立ててロープで足ひっかけてその上に転ばせたり、四方から手足首にロープひっかけて拘束したり、木の板で作ったバリケード窓に引っ付けて封鎖したりと中々のチームプレイと狡猾さを発揮してくれます。ロープ投げて足に引っ掛けた後、皆で「ヨイショ！ヨイショ！」という感じで引っ張ってるところは何か可愛かった。
後半の妖精との戦いがあっさり片付いて盛り上がらないのが惜しいです。
妖精の群れが壁を這い上るシーンは不気味でよかったんですが。また、最後地下の巣でワラワラと集まってくる所も不気味でした。
皮肉なラストもいいですね。
アルバトロスリリースのホラーでは良作です。