小さな陸と大きな陸を挟む大海原には、若さの中に揺れ動く不安と希望と愛が満ち溢れている。
全ては〝故郷(Home)〟に繋がる。
極限なまでに精神状態を追い込まれた『ダンケルク』とは違った、ごくごく普通の女の子の〝故郷(Home)〟に対する愛の物語。
主人公〝レイシー(シアーシャ・ローナン)〟の複雑な心境が良く描かれているのではないか。
幼かったあの〝シアーシャ・ローナン〟も大人になったもんだと鑑賞しながら、彼女の今度の女優としての未来に希望を持てた作品。
アイルランドの田舎町とニューヨーク・ブルックリンの対比を上手く表現し、当時の時代背景と合わせ重すぎず軽すぎず良くまとまった作品ではないか。
この映画は〝シアーシャ・ローナン〟という1人の若手女優だからこそ成り立ち、目を見張る美人でもなく愛くるしい可愛らしさがある訳ではない。
しかし彼女が魅力的な事は確かで、不思議と惹かれる存在感は素敵な大女優になりうる可能性を秘めている。
ホームシックになろうが、帰れる〝故郷〟があるのはいい。
帰る場所があると言うことは、多分それだけで幸せなこと。
もし帰る〝故郷〟がないとしたら…。
そう、自分の手で自ら〝故郷〟を築けばいい。
いつでも気楽に帰ってこられる〝場所〟を築いてあげる側になってもいいじゃないか..★,