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ゴースト・イン・ザ・シェルのkazataのレビュー・感想・評価

3.0
ルパート・サンダーズ監督のベトナム戦争映画『The Things They Carried』(原作書籍のタイトル通りなら邦題は『本当の戦争の話をしよう』になるのかな?)にタイ(シェリダン)くんが出演予定(主演はトム・ハーディ)と言うことを知ったので、劇場公開時に何だかんだで見逃していた(ってか北米だけでなく世界興収的にも惨敗という結果…)本作をウォッチ。

押井守監督の劇場版を高校生の頃に見て大興奮した思い出はあるものの(その後神山健治監督のアニメ版を見たはず)……いわゆる"攻殻機動隊"のガチ勢じゃない身分としては、「評判悪いって聞いてたけど意外と面白いじゃん」とそこそこ楽しめました。

主人公がスカヨハだからホワイトウォッシュだなんだと批判されたみたいだけども……個人的には『her』のA.I.ボイスだったスカヨハが義体を手に入れた流れは胸熱でナイスキャスティング!
(おまけに『LUCY』で脳を超覚醒しちゃってるしね…)

で、「ビートたけしの演技が…」とか「タチコマが角ばってる…」みたいな些末な問題は置いといて、少佐の過去がとっても安易でおセンチなモノとして描かれているのが最大の不満かな。

(自分の中でのイメージだけども…)「自分はどこから来たのか、自分は何者でどこへ行くのか」に直結する少佐の悩みは、ある特定の個人のルーツ的なものじゃなくて「人間とは何なのか?」という本質的=哲学的な命題であるべきなんじゃないかな。

そんなわけで、少佐のまわりでやたらと"愛"が溢れ始める展開に、それはそれで感動できるんだけども「やっぱりイメージしてた攻殻機動隊じゃないな…」って思っちゃいました。
(少佐への愛はバトーだけでOKだよ!)


(ビートたけしに拳銃撃たせたのは北野映画憧れゆえでしょう…笑)

(そうそう、『GODZILLA』といいジュリエット・ビノシュの贅沢な無駄遣い感が悲しいよ!!)
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