ちろる

マイ・プレシャス・リストのちろるのレビュー・感想・評価

マイ・プレシャス・リスト(2016年製作の映画)
3.8
18歳でハーバード大卒業しちゃうIQの高さのせいで、自分は周りの人間と話が合わないってはじめから人との交流諦めちゃってるコミ障の女の子が主人公。
こんなめんどくさい役も、こじらせ女子にもってこいのベル・パウリーがやれば全然嫌味が無い。

目上の人にもあぁ言えばこういう、家族でさえも信用しようとしない、社会生活に問題ありのキャリーを心配した父親が、通わせたセラピストに、とあるやりたい事リストの6つの課題出されてしまう。
この課題をこなしていく過程で、キャリーがどうしてこんなかわいげの無い性格になってしまったのかが徐々に解き明かされていくので、観ているこちら側も彼女の心に寄り添えるように作られているのが温かかった。

まだ、おぼこい印象のキャリーだけど、この作品には3人の恋愛対象になり得る男性が登場する。
1人は初めてキャリーを大人扱いしてくれたイケメン教授のハリソン
もう1人は出会い系で知り合ったIQも好きなものも近い似たもの同士のマット
そして隣の部屋に居候する無邪気なサイ
これらの恋愛模様や、仕事での交流を観て、ふと気づいたのは彼女は実は全然コミュ障ではなかったってこと。
頭良すぎて14歳でハーバード大に入ってしまったせいで、お父さんに追いやられた!と被害妄想を感じたり、外に出れば子供扱いされてばっかりでふてくされていただけだったようなのです。(かわいい)

こじらせ女子になりたくてなったわけじゃない。
きっと、彼女が適度なIQで飛び級してなくて、ゆっくりと道を歩んでたら多分普通のティーンだったのだろうけど、
彼女がこんな風にアンバランスな身体と脳を持ったからこそ経験できる彼女だけの物語があると思えるのは彼女がセラピストの課題をこなしていくうちにどんどん輝いて見えてきたから。
全然存在感なかったパパ役のガブリエル・バーンが、ラストのほうでぐいぐい頭角表して、パパ素敵❤︎ってなる感じも良き。
様々な恋愛模様を通してこじらせ女子の大人へのステップアップと思いきや、蓋を開けて観たらキャリーが生き急いでた足を止めて振り返るっていう感じなのかな?
キャリーの作る笑顔が力の入ってない年相応な感じになっていくラストに自然とこちらも顔が綻びます。
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