風の旅人

ラン・オールナイトの風の旅人のレビュー・感想・評価

ラン・オールナイト(2015年製作の映画)
4.0
殺人現場を目撃して命を狙われた息子のマイク(ジョエル・キナマン)を守るため、ジミー(リーアム・ニーソン)は自分が仕えるマフィアのボスの息子ダニー(ボイド・ホルブルック)を射殺してしまう。
ボスのショーン(エド・ハリス)とは30年来の親友で、人生の苦楽を共にしてきた相棒でもある。
それがダニーの死をきっかけに、憎むべき敵同士に変わる。
追い込まれたジミーは、ジミーを逮捕しようと躍起になっているハーディング刑事(ヴィンセント・ドノフリオ)にマイクのことを頼み、思い出の場所ノース・サウス湖にマイクを向かわせる。
そしてジミーはショーンと決着をつけようと、単独でアジトへ乗り込むのだった。

何度も繰り返される「one night」という言葉。
本作の面白さは、マフィアとの交戦を通じて、長年に及ぶ親子の葛藤を「一夜」にして解消するという荒技にある。
ジミーは暖房器具を買う金もなく、下ネタを連発する厄介者だが、一度スイッチが入ると、躊躇せずに引き金を引く殺人マシーンと化す。
一見飲んだくれで、よれよれの初老の男が、実は凄腕の殺し屋というギャップに萌える。
リーアム・ニーソンは60を超える年齢を感じさせず、ぼろぼろになりながらアクションをこなす。
B級映画の巨匠ジャウム・コレット=セラは、観客を飽きさせない術を知っている。
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