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群盗のmatchypotterのレビュー・感想・評価

群盗(2014年製作の映画)
3.9
“寄れば民、散れば盗賊”。

またしてもカンドンウォン観たくて観たら、誰を観て良いかわからないぐらいキャストが立ってる。

カンドンウォン、ハジョンウ、マドンソク。
他にもいっぱい。韓国の映画をそこそこ観てる人なら、あの人、この人、と、次から次へと。

1人で主役張れちゃう俳優も。
あれにもこれにも出てる名バイプレイヤーも。
ハジョンウとカンドンウォンの宿命みたいな対決構造だが、脇を固める俳優が凄過ぎてとても骨太で厚みがある物語に。

最近観てきたカンドンウォンはどちらかと言うと善のキャラクターだったが、本作は悪役。
めちゃくちゃ腕利きの“ワケあり”の悪代官。

卑しい育ちのため当主の後継になれないことに絶望し、富豪に言い寄って財をなす傍ら、当主に仕えながらも覇権を握るために裏工作に明け暮れる悪代官。

しかも、金も権力もあって、部下もたくさんいるのに、武芸を極めてて1人でもめちゃくちゃ強い男。
何というか、ものすごいカリスマ性のある悪代官。

一方で、その裏工作に巻き込まれるも、手を引いたことで家族を殺されたハジョンウ。
彼のその行為や彼の佇まい、そして、彼に起きたことを買われ、誘われた場所、、、それが“群盗”。

金持ちや権力者から金品を奪い、粛清を与える。
そして、奪ったモノを巻き上げられた民に返す。
まるで、石川五右衛門集団。カッコいい。

ならず者達の有象無象の集まり。
このクセの強さと腕っぷし。キャラクターの見どころの多さ。

この恐るべきパワフルな群盗にハジョンウが加わり、濃厚極まりない集団を相手にほぼほぼ1人で待ち受けるカンドンウォン。

むさ苦しい盗賊集団と、凛と佇みとんでもなく武術に長ける怨念のような男。

奪うか、奪われるか。
奪うのはどっちで奪われるのはどっちか。

カンドンウォン側もただのふんぞり返って私服を肥やす悪代官ではなく、彼自身にも彼なりの苦虫を噛み潰すような“因縁”の上に生きているところがある。

彼に人生を滅茶苦茶にされたハジョンウと、ついに因縁の糸口が見え始めたカンドンウォン。

キャラの登場の仕方や描き方もドラマチック。
少し前の時代の時代モノなことを忘れてしまうスタイリッシュさもあって観やすかった。

日本で言うと『十三人の刺客』っぽい時代劇の中に現代を感じるワクワク感があってカッコ良かった。


F:2018
M:1658
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