みゆたん

マルメロの陽光のみゆたんのレビュー・感想・評価

マルメロの陽光(1992年製作の映画)
3.8
ミツバチのささやき、エル・スールに続いて、ビクトル・エリセ監督 3作目♡

スペインの画家 アントニオ・ロペス・ガルシアさんって知ってる??
私はよく知らなかったんだけど多分スペインだと有名な人なんだろね~。

その画家さんがマルメロの木をあーでもないこーでもないって言いながら書いてる姿をひたすら追うドキュメンタリー作品

で、この人が几帳面すぎるというかビビるくらいの完璧主義者。

このマルメロの木の絵を描くためにキャンパスに収めるサイズに水平垂直に紐をかけて視覚的に 木も切り取るし、日が変わっても同じアングルで描けれるように自分の足を置く位置も杭を打って固定するし、日々成長しちゃう木の実や葉っぱにも 描き始めの日からの変化点の目印をチョンチョン描き足してくのよ。
ジャケにある木の実の白い線はその印ね。
木自体も雨の日対策でビニールハウスで覆っちゃうし‪、ホントこの木を描くことに対する情熱がスゲーから‪w

嫁や子供も好きにやってよ くらいのテンションで半笑いで見てるのも笑えた‪w

たまに遊びに来る芸術家たちとの芸術談義や芸術学校時代の昔話も興味深くて面白かったよ。

てかこれホントにドキュメンタリーなん?
ストーリーとして出来すぎてる感あるからモキュメンタリーちゃうん?って錯覚すら覚えたし♡

さてさてこの絵 最後にはちゃんと完成したんでしょうか~
それは見てのお楽しみということで♪

2時間越えの作品だけどあっという間。なかなかの良作よん♪

あとね、ちょうどこの撮影が行われた時期が湾岸戦争が始まるちょっと前だったみたい。

ラジオを聴きながら絵を描いてるんだけど、彼の周りのゆったりと進む空気に反して、湾岸戦争へと突き進むイスラム圏の国々の不穏な空気が漂ってくるニュースの数々が悲しいやら馬鹿らしいやら。

ある意味 反戦映画として捉えてもいいかもってのも思ったかな。
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