発表された当初は侯孝賢久々の新作ってことで歓喜した記憶のある作品で、映像には期待以上のものがあったものの改めて考えてみてもやっぱ侯孝賢作品で最も難解という結局何だったのかと疑問を抱いてしまう映画。
何処か牧歌的ながらも胡金銓のオマージュが感じられる武侠映画っぷりは嫌いじゃないどころかむしろ好きだし、映像面における文句が全然見当たらない点は流石の侯孝賢って具合だったが、映像に気を取られて物語を疎かにしてしまうと終幕が唐突に訪れてしまうので狐につままれた気分になる。
映像に絵画的な良さがあるだけでなくアクションも冴えた映画として満足度は高いのだけど、それ故に終盤少し躓いたのが惜しかった。
あとこれまた物語を追っていなかったが故の疑問だけど、妻夫木のキャラって本当に必要だったのかな?