Torichock

ノック・ノックのTorichockのレビュー・感想・評価

ノック・ノック(2015年製作の映画)
3.6
「Knock,Knock/ノック・ノック」

自分のことを性格がいいという人間って信用出来ないよね。


大きなオトモダチ、Mr.ナイスガイことイーライ・ロス先生の最新作。

"美女が二人がいきなり部屋にやってきて、エロいことしまくったあとボコボコにされる"

という、アホか!天国か!それに千明様は出てくんのかい!えっ!?という、おバカなテンションで見に行ける、おバカ映画。


お勧めの鑑賞方法は、ぜひともデートで見に行って、

彼氏「面白かったねぇ」
彼女「うんうん、笑った〜」
彼氏「どこが面白かった?」
彼女「浮気の罰を受けるところかな」
彼氏「そ、そこなんだ」

ここからが白眉。

彼女「オレ君があの状況になったらどうする?」
彼氏「いやいや、ガマンするしょ」
彼女「ガマンってことは、したいの?」
彼氏「いや、そうじゃなくて・・・・」
彼女「・・・・」

ってな感じで、賑わう渋谷の街を無言で歩くデートコースで!


小生、ただいま絶賛骨折中にありまして、尾てい骨を労わりながら、一人で楽しく鑑賞してまいりました。
土曜日の夜の回は、カップルがとても多く、僕オススメの鑑賞条件を満たしていたせいなのか、あれだけの爆笑シーンのつるべ打ちにも、リアクションはやや低め。
隣にいる人が気になって笑えないってか?
映画に失礼ですぞよ。

まず何より、夜突然やってくる美女二人が、二人して本当にいい女でたまらない。
ここが崩れていたら絶対ダメなのに、100人中100人がNo!とは言えずに、男の子から男、アレがナニしてしまうような、そんな完璧な美女でした。
ロレンツァ・イッツォと、アナ・デ・アルマス。
アルマスはめっちゃ可愛いし、どちらかというとアルマス人気が高いようですが、個人的には食人族から逃げてきて、貞操観念がいかれてしまったという設定を勝手に脳内変換してしまうほど、ロレンツァ・イッツォが好み。
というか、映画の中で映える人。
三面鏡のルージュのシーンとか、マジで見とれてしまいました。
そりゃ、ユダヤのクマと恐れられるほど、思い切りの良いナイスガイだもん、あんな美女を嫁にしますよ、ちくしょうめ。
というか、自分の嫁に凄い役やらせるよ、流石です兄貴。

僕がオススメしたい二人のシーンは、3Pのシーンよりも、庭で嫁に電話してるエヴァンに対する、ガラス越しの二人。
ケツをガラスに付けておどけるという頭の悪さ爆発のシーン。ここ、誰も笑ってなかったけどマジ?「ファンボーイズ」のエルサ、じゃなくて、クリステン・ベルのオマージュということで!
この頭の悪さはかなりヤバかった。僕、そこらへんでウ○コとかしちゃうんだろうな、そんなシーンあったらすげぇな...と思ってましたもん。(さすがに、そこまではいかなかった)

というか、全編を通してガラス越しというのが非常に意味があります。
あの二人にとっては、頑丈に守られたつもりの部屋も透けて見える。それはエヴァンの欲や、あるいは男の心理を指しているのかも知れません。
ちなみに一番エロいのは、シャワールームの中からガラスに張り付くおっぱいですよね。
さすがでございます。

後半は、お家にあるものでひと工夫、DIY精神に満ち溢れた、多種多様のかも罰ゲームが繰り広げられます。
その罰を受けながら、肩を怪我してるエヴァン(僕は尾てい骨だよ、キアヌ、おれたち仲間だな!)が、自分のことを善良な人間でいい父親だ!と激昂しているところが、間抜けすぎて最高です。

冒頭に書いたように、自分自身のことを、就活の面接でもないのに、ポジティブに捉える人間は、どれだけ頭が良かろうと、馬鹿野郎だと僕は思いますな。

これは、スリラーではなく、リアクションコメディ映画の分類だと思います。
年末のガキ使スペシャルで、本編は毎年同じでつまらないんだけど、途中で必ずやる

ケンコバと出川と竜兵様とかが出てる、体を張ったアレ

とか、「凶悪」のじじぶぅが酒を無理やり飲まされて、通電してとかされるシーンの"パーティー感"とかが好きなひとは、この映画好きでしょう。

キアヌ・リーヴスがひたすら嫌な目に会うの見るだけでも、非常に楽しい。撮影現場はさぞかし楽しかったんだろうな、ということが伺えます。(メル・ギブソン主演だったら、ドM映画として、 ジャンル昇華してたのかな?)

僕がこの映画で一番笑ったシーンは、全身を縛られたキアヌが、嫁から注意されても切らなかった髪の毛を、ボウルを頭にかぶされて、その線に沿って髪を切られたところ。

あそこはヤバかった、あの一連の流れのパーティー感はヤバかった。
「FAKE」の佐村河内氏の豆乳に勝るとも劣らない名シーンでした。

残念なのは、シーンが切り替わると、雑ではあるけどわりとさっぱり目に髪を切られていたところ。
ここでキアヌの髪型が、「Mr.ダマー」のジム・キャリーみたいになっていたら、とんでもない大傑作になりえたかも知れない、僕は1.0底上げしていましたね。
多分、スリラーでなくなってしまうというところなのかも知れないけど、この映画はもうスリラー1:9コメディーの割合でしたよ。

物語のオチは、ムスコの(本当の子供の方)の名台詞で締められるのですが、その前に流れてくる音楽が、"Where is mind?/The Pixies"なんともまぁ、この映画を意味するところにオチがつきます。

うわぁ、やられた...
イーライ・ロスに白旗を上げるしかないくらい、してやられたと思います。

パンフレットとTシャツを購入したわけですが、実はこの映画はキアヌ・リーヴスもプロデュースに深く関わっているわけです。
彼の演技、本作ではちょっと下手くそ?を匂わせるところもいくつかあったけれど、地位も名声もそれなりにある立派な俳優さんが、こんな映画をやろう、撮ろう、演じよう!してくれたのは、非常に嬉しい限りです。
もしかしたら、そういう趣味があるのかも知れないけど関係ありません!
エロくて不快でバカバカしくて、大笑いできるバカ映画として僕は賞賛を送りたいです。


いや、賞賛よりも










イイね!
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