渡邉ホマレ

スター・ウォーズ/最後のジェダイの渡邉ホマレのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

古臭い伝統、血統なんかはぶち壊しちまえ!
フォースはジェダイやシスだけのもんじゃねえんだ!いいんだよ、フォースは万能なんだから新しい使用法がいくらでもあるんだ!スノークの正体?ハッ!「単なる老害」ってことさ!
『SW』はこれから、名も無き人々…つまり貴方たちが支えていくんだぜ!

…主張してる事はたいへんよくわかるし共感もする。かっこいい意見だと思うし、伝説が一部の主要人物だけのためのものではなくする。新しいものを作り上げたいのだ!という熱意も伝わってくる。

私は「フォースにはこんな使い方もあったんだぜ」に関しては(…まあ、江田島平八のパクりには若干ひいたが)特に気にしていない派だ。ユーモアとギャグを履き違えている点は気にしている。

しかし本作は、『SW』がどうこう以前に、物語が穴だらけだと思う。

爆撃機の無意味な鈍重さ。重いのか?
無重力下での爆弾の「投下」。
無意味で、しかも何故か部下に通達されないローラ・ダーンの作戦。
全く何の意味もないどころか、30分くらい上映時間を浪費した挙句、逆に味方を窮地に叩き落としたフィンとローズのワクワクカジノ大冒険。
「古臭い伝統や…」といった前述の主張のわりに、ヨーダのパペットには拘ったり、無闇矢鱈と垂れ流される旧三部作の音楽。
ヨーダにだけは言われたくない。
「監督の意図を伝える為」だけに登場したベネチオ・デル・トロの無駄遣い。
部下にさえ秘密にしていた先ほどの作戦は、全く何の役にも立たなかった。
生きてた!でもやっぱり意味の無かったファズマ問題。
ずさんな作戦をミスったローラ・ダーンの特攻がケレン味たっぷりに描かれ、英雄的に描写される。
にも関わらずフィンの特攻はローズによる横からのタックルで止められてしまう。(じゃあルークのアレだって特攻だけど…いいのか?)
ルークの「レッスン3」を見ていないレイ。
ルークから使い方を全否定されたにも関わらず、「岩を持ち上げる」で仲間を救っちゃったレイ。
(つまりルークのレッスンの全否定だよねコレ)。
何より、ルーク、レイア、ソロに代わるはずだった新主人公達のうち、レイとベン以外は格を落とす扱いに。特にポーは前作ではクールなスーパーパイロットだったのに、作戦も知らされないヤンチャな若造に格下げされた。

シリーズ最長の上映時間がそのまま「ボリューミーで重厚」であるかの様に持て囃されるのは観る側の勝手だけど、逆に本作の物語内時間経過はシリーズ最短。レジスタンスがあんなに苦労して見つけたルークは、発見から僅か数日(のはず)で、愚かなレジスタンスを一時生き長らえさせる為の犠牲にされた事になる…。

また「観客の予想を裏切る展開」といえば聞こえはいいけど、予想を裏切る為だけの展開が多過ぎて、かえって単調。本当に、本当に下手くそな物語の典型だと思うけれど…違うのかなあ?