渡邉ホマレ

オーメン:ザ・ファーストの渡邉ホマレのレビュー・感想・評価

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)
-
これは傑作じゃないかしら…。 

「666は悪魔の数字!ギャーー!」
というように、単なる数字に不吉な意味を持たせた伝説的傍迷惑映画『オーメン』。
(そもそも「オーメン」は「予兆」という意味しかない)

『ローズマリーの赤ちゃん』を皮切りにした70年代オカルト映画の代表作となった『オーメン』は、3部作+1本が製作され、その後2016年にリブート、あとTVドラマ版も製作された(シーズン1で打ち切られたけど)。

で、本作は昨今流行りの「エピソード0」。

「悪魔の子ダミアン、その誕生の秘密とは?」と連呼されるCMを目にした時には「あ〜あ、またこの手のハナシかよ…」とかなりナメていた。

が、コレはイイ!コレはイイゾ!!

まず、1970年代の再現ぶり。
とにかく作り込みが見事で、あとザラザラしたフィルム感も大変よく、カネがかかっているけれど低予算なような…それこそ『オーメン』一作目の雰囲気がちゃんと漂っている。
(一作目は3億7千万円の低予算映画)

本作にはブレナン神父a.k.a.ガラスクビチョンパーが重要な役どころとして登場するのだが…に、似てる!!
ラルフ・アイネソンてパトリック・トラウトンの親戚かなんかなの?ってぐらい似てる!
タレ目とか!
もう少し顔色悪くしたらそのまんまやで!

シリーズに広がりを持たせたとある展開。
一作目をご覧になってから本作を鑑賞すると、ある場面で「え?」と驚かされるハズ。
本作は一作目の前日譚であると同時に、一作目とは別方向の続編の可能性を感じさせてくれる(ヒットしなかったら無いんだけど、無くても想像力は膨らむよね)。

で、以下が一番素晴らしいところ!
前述した通り、本作で描かれているのは紛れもなく「悪魔の子ダミアン、その誕生の秘密とは?」なんだけれど、その秘密というのが実に現代的解釈に基づいていて、皮肉が効いている。ある意味痛快。

…あ、もちろんオカルト映画としてのゾクゾク感やジャンプスケアは満載だし、ちゃんとグロくてショック描写もたっぷり。当然ながら妊娠中の女性にはオススメしません

暗闇を利用した描写と音響がかなり凝っているので、映画館でやってるうちに観といた方がいいですぞ!