ぜにげば

スター・ウォーズ/最後のジェダイのぜにげばのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

 とてつもないハードルの低さで2回目の鑑賞を迎えたが、やはりハードルが低いと感じ方が変わる。まあまあ面白かった。なんなら、『フォースの覚醒』よりもほんの少し面白かった気がしないでもない。そう感じる理由は、自分の中でシークエルが葬り去ってほしい三部作として強固なものになっており、『7』はフリの段階の、ファンへの目配せ映画だった為「これからこんなものを見始めるのか…」という辛さがあったが、今作はそれを全てひっくり返す裏切りだったので、初見の時はワクワクを裏切られたが、今はシークエルを壊してくれそうな雰囲気を感じてかなり好きだった。

 もう1つ面白く感じた理由としては、ポーグが死ぬほど可愛いこと。最初から最後までかなり登場してくれて「もっと見たかったなぁ」という気分が残らない満足感。1回目のときはポーグの可愛さに気付けていなかったからこそ、かなりボーナス的な面白さがあった。

 もちろん不満は死ぬほどある。まずギャグシーンが全部無駄。なんだあれ。なんでそんなにボケたがるんだ。アイロン上から降りてくるシーンとかキレそうだった。スベリまくりだし、やたらと手数も多いのがムカつく。大好きで『7』にハマって、ワクワクしながら劇場でこれを見せられたら本当に殺意が沸くと思う。

 ホルド誰やねん。知らん。出てくるな。アクバーが死んで出てくるのが知らん人?「カイロンベルトの戦い」?知らん知らん。ちゃんと有名人だよみたいな説明ゼリフ要らん。作戦をポーに伝えてないのも意味が分からないし、ハイパースペース特攻も死ぬ程色んなところで言われてることだろうけど、「それができるならじゃあ今までの戦い全部なんだったんだ」って感じだし。結局フィン達が頑張ってた作戦も時間の無駄だったし。二択の裏切りをし続けて終着点が「無」て。

 修行パートも長くてダルかった。「何人かの弟子」ってなんだよ。ベンを加害者にするために用意された被害者じゃん。雑。結局ルークの戦闘シーンは見られないまま。まあ霊体で時間を稼いでたって戦い方は好きだけど、ちゃんとルークの戦闘シーンを見せてからにしてもらわないと。2回目だからあまり思わなかったけど、「本当ならルークはもっと凄い人のはずなのに!」っていう思いだけでこの作品を否定するのに十分。

 1回目の鑑賞の時に思ってた「宇宙に重力はないから爆弾は投下できないだろ」ってのは、『クローン・ウォーズ』の描写を見るに宇宙船の周りにも若干重力があって月みたいなフワッとした運動は可能だし、何より爆弾が自由落下と言うよりは滑り出される感じだから今回は気にならなかったな。

 最後の赤い塩が織り成す画面の色彩はかなり好きではあったけど、『進撃の巨人』VS獣の信煙弾とかと違って塩が舞うだけで意味もないし、起きてること全てが面白くなかった。

 鳥(ポーグ)映画としては素晴らしい。チューイが鳥(多分ポーグ)肉食べるところとかたまらない。そのまま生きてるポーグ掴んで丸かじりしてくれたっていい。踊り食いが一番美味いって設定がないとただの露悪だけど。いいポーグでした。

☆1回目の鑑賞 20200420 DisneyDELUXE 2.1☆
 うーん…。789は好きか嫌いかで言うと嫌いになるんだろうな…。
ネットでも賛否両論があって、特に否が多い。

 まず長ぇ。もう少し無駄を省けたはず。そして、前作から言えることだけど、フォースの使い方がかっこよくない。物を浮かせることと、遠隔会話することしかほぼしなくて、お互いがフォースで感じ相手の攻撃を予期してるが故の独特のるろうに剣心とかパイレーツオブカリビアンとかとは全く違った剣戟が醍醐味なのに、それがない。バトンみたいにくるくる回してビームがバチバチ当たるなんてことはなく、侍っぽい剣戟に近い。るろうに剣心の殺陣を超劣化させてライトセーバーで行うという見てて辛いものになってる。そして話の展開もお粗末で、冒頭のポーの味方の命を無駄にする謎の無能っぷり。前作の冒頭はフィンと頭良く危機を脱してたのに…。

 爆弾を敵機に投下するために一先ず砲台を壊したまでは理解できるけど、爆撃機が何故か遅い。重力は無いはずなのに。B級映画じゃないんだから。そして爆弾も何故か自由落下。
なるほど!今までのスターウォーズとは違って重力があるのか!と思ったら中盤レイアが宇宙空間に投げ出される。その時の無重力感たるや作品の中でも1番かもしれない。そもそも宇宙空間では爆発は起こらないが、ジョージ・ルーカスはこの問に対し、「僕の宇宙では爆発する」と答えていて、そういうフィクションの演出と分かってこっちは見てるし、全作品通して統一されている。でもこの重力問題は今まで無重力だったのは去ることながら今作の中でも無重力の時と有重力?の時と都合によって分かれている。ふざけるな。

 また、大ボスと思っていた最高指導者スノークが弱い!!弱すぎる!!遠隔のライトセーバーのブゥンで体がふたつになって終わりて…。シスは師匠を殺し師匠を越え、弟子を持ち、常に2人というルールのようなものがあるそうで、それに則ってるのは素晴らしいと思うが、前作でジェダイでもなんでもないような奴に一太刀貰って、弱いなぁと印象づけられた人にあっさり殺される大ボス風のやつってなんなの?パワーバランスの調整が下手くそすぎるから日本の少年漫画もっと読んでください。

 フィンとローズのキスシーンについては言わずもがな純度百パーの無駄。これは全会一致でしょう。突然で、状況に則してなくて、薄い。
それに、ルークの死の雑さ。オビ=ワン・ケノービの死の時はまだ死んだのか消えたのか分からない状態でだんだんとわかって言った。その分からない状態が良かった。後々霊体に着いても明かされるし。しかし今回のルークは消える=死ぬということは分かってるのでどうなったんだ!?という感情にもならない。ただ遠隔で自分の像を操り力尽きて消えるだけ。あ、死んだ…。呆気なさすぎる。オビワンの死は謎があり、クワイ=ガン・ジンの死は突然で衝撃的、アナキンの敗北も衝撃的で、その後遺症などもあってだと思うが、皇帝の電撃などもあわさり力尽きるダースベイダー。あっけなく死ぬハン・ソロ、あっけなく死ぬルーク・スカイウォーカー。なんだよこれ。

 これだけじゃない。レイの血筋について。なんとただの凡人だった。ただの凡人からヨンログのような強いフォースを持つものが突然現れること自体は自然だと思う。スカイウォーカーの血筋だって最初が存在するし、ヨーダだってそうだろう。レイがただ‘最初’だっただけでこれは問題ない。しかし、DRAGONBALLで言う所の「落ちこぼれだって必死に努力すりゃ、エリートを超えることだってあるかもよ」のような一言補完してくれないとなんでだよ!とツッコミたくなる。あんだけ血筋について匂わせていたんだからさぁ!

 日本の少年漫画の主人公は大体が血筋に恵まれててずるい!とか、悟空に関しては落ちこぼれだから努力型だ!とかよく喧嘩してる人がいるが、これはそれ以前の問題。先天的なものにしろ後天的なものにしろ、どうして強大なパワーを持っているのかの説明がなされていない。これは嫌い。日本の少年漫画を読め!

 ルークがベン・ソロを殺そうとしたことに関してはグレーかな。ダースベイダー然り必ず暗黒面に落ちたヤツは元ジェダイで、ジェダイは秩序をもたらすと同時に闇を生み出してきていることになる。123456を見ていてそれをい痛い程感じ、ルーク自身も父のこともありもし弟子が暗黒面に落ちたのであれば自分が責任をもって殺さなければならないと思ったことだろう。それぐらいの覚悟を持ったはずだ。だとしてもルークは自分の甥を殺すことなんて出来ないはず。ベイダーに対して助けて父さん!と言うようなある意味甘いヤツだからだ。今までルークがどういう経験をしたか明かされていない部分が多いのでなんとも言えないが昔のままのルークならこんなことは絶対にしない。キャラ崩壊と言っても相違ない。マーク・ハミルも最初に「侮辱されてると思った」と述べていて、後々に撤回し「その発言を後悔している」と言っているが、最初に言ったことは間違いなく本音で、後悔しているというのが本音なのか建前なのかは分からない。少なくともマーク・ハミル自身最初に脚本を見た時に侮辱されてると思ったのは事実なのでつまりはそういうことなのだろう。

 ポーのルークはどこから来たんだ?という推理は霊体だったので勘違い。これの問題はレイアがみんなにポーについて行きなさい!と言ったこと。そのせいでレイアの株が下がってる。
総じて余計な作品だった。前作も正直あまり好きではなかったけど、伏線を張った段階だったので評価は高い。往年のファンにとっては最高だったろう。今作はそれが全部だめだったとわかるので評価は当然低い。これも往年のファンはもっとムカついてると思う。往年っつーか怨念かな。もはや。
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