せんぷうき

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明けのせんぷうきのレビュー・感想・評価

3.3
今年は『エンドゲーム』でMCU作品群が一区切り、そしてスターウォーズ最終作、と大物が続いた。思えばスターウォーズは40年以上に渡って観てきているわけで、それが最後となると感慨深い。

しかし、一番良かったのは予告編、というよくある残念なパターンだった。

感慨深かったのはタイトルがバ――ンと出て文字が奥に向かってスクロールしていくいつものパターンが終わるまで。数分もしないうちに「何か違う」という感覚。『フォースの覚醒』『最後のジェダイ』と違和感がつきまとっていたが、最後もやはりそうなった。J・J・エイブラムスやライアン・ジョンソンは、これまでの世界観を守ることより、それらを壊して新しいことにチャレンジする道を選んだ。それは素晴らしい事だが、結果として自分には前6作とはあまりにも繋がりのない作品になってしまった感じがしている。つまりスターウォーズのモチーフだけ借りた別の映画群になった気がする。

守ってほしかったのは、回想シーンは入れない、出だしは宇宙でのイベントに徹する(冒頭からライトセイバー戦とかやめて)、フォースの力を誇大にしない、メカは格好よく、キャラクターは魅力的に、過去キャラをぞんざいに扱わない....等々。まぁまあ、どれも違反してる。

レイやカイロ・レンといった主要キャラの掘り下げ方が今一つな上に、仲間であるポーやフィンは影が薄い。メカで魅力的なものは何かあったかな?フォースはもはや何でもできる、宇宙だって飛べるしスペースシップだって引き寄せられる....ヨーダでさえXウィング持ち上げるのにそれなりに時間かけて頑張ってたというのに。結局、過去作のキャラ(今回はランドー)やメカたち(ファルコン号とかXウィングとか....)に支えられてる感じ。そうそう、あの人もカメオで出演してたんで驚いた。

このシリーズはG・ルーカスが満を持して製作した『ファントム・メナス』からケチが付き始めたが、この先、新しいスターウォーズ・シリーズは作らなくてもよいので、できれば以下のように再度続編群を作り直してもらいたい。

●エピソード1:シリーズからカット、スピンオフに。
●エピソード2~3:TVシリーズ『クローンウォーズ』の内容を部分的に加え再構成して3部作に。アナキン&アミダラの恋愛、アナキンがダークサイドに落ちる部分は超冗長なので大胆にカット
●エピソード4~6:そのまま
●エピソード7~9:ルーカスの構想をベースに再製作。レイアの子供世代の話でよいが、レイやカイロ・レンじゃない方がいい。

G・ルーカスがディズニーから権利を返してもらうところから始めてもらわないとダメかもなぁ

それにしてもMCUは綺麗に着地したが、スターウォーズは何となくモヤモヤする形で終わった、というのが正直な感想。今年最後の映画は個人的にかなり期待していただけに、ちょっと残念な結果に終わった。
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