スティーブ

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明けのスティーブのレビュー・感想・評価

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SW新章完結編。正直EP8でがっくり来ていたクチなので、EP9は期待しつつもハードルを上げすぎないようにしていたのだけど、見事に期待にこたえてくれた一作。ありがとうJJエイブラムス!本当にありがとう!

以下ネタバレで。

EP8はテーマや各シーンのエモさは理解できつつも、その繋ぎがばらばらだったり、展開そのものに納得できなかったりして、「うーん……」という感じだったんだけど、EP9はよくぞここまでリカバリしてくれたなあ、という印象。
まずきちんと伏線を張って、それを回収することでエモーションを生み出す、という物語の基本がきちんと守られているし(これができてなかったEP8はやっぱりおかしかったんだな、と)、何よりあのEP8(あの!)からの流れを受けて、物語を破綻なく収束できたことに全力で拍手を送りたい。
たしかに中盤がちと冗長だったり、レンの回心への機微がよくわからなかったり、最終決戦でのレイとフィンたちの共闘感が薄かったり、と言いたいことは山ほどある。あるが、決戦での艦隊大集合、フォースを使ったセーバーの受け渡し、「共にあれ」、などなどエモすぎるシーンがてんこもりで、また見たいと思わせてくれる作品に仕上げていてくれて、「おいおい、これに文句をつけたらバチが当たるぞ!」と。
パルパティーンの復活、レイがパルパティーンの孫といった秘密に関しては、え、ちょっと唐突に過ぎない?とも思ったけれど、「たとえ出自が何であれ、運命は自分自身で切り開くことができる」といったテーマを浮かび上がらせていてgood。むしろよく思いついたと思う。そういえばこれまでジェダイがダークサイドに転ぶことはあっても(むしろよく転ぶw)、シスがライトサイドに転んだことはなかったもんなあ。完結編でその展開を持ってきたのは、結構発明だったんじゃないかと思う(この展開を最初から想定していたのなら、やはりEP8もJJに任せて、きちんと伏線を張っておくべきだったとは思うけど)。
本作にて、ついにスカイウォーカーの血統は絶えてしまったわけだけれど、レイがそのの志と名前だけを受け継ぎ、幕を閉じるラストは問答無用に涙した。「宇宙規模の親子喧嘩」と揶揄されることもあるSWだけど、だからこそこれ以外の終わり方はあり得ない、とさえ思えた。この辺りも、EP8の「ジェダイは血統にあらず」というテーマをしっかり継承、かつ昇華していて、本当にすばらしい。

とにかく不安で不安で仕方がなかったSW完結編だけれど、このEP9のおかげで、これまでの本編が「スカイウォーカー9部作」としてきちんとまとまったこと、それを成し遂げた演者、スタッフ、そして誰よりも監督JJエイブラムスに惜しみない賛辞を贈りたい。ありがとう!本当にありがとう!