ナツミオ

国際市場で逢いましょうのナツミオのレビュー・感想・評価

国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)
3.8
WOWOW録画鑑賞
【特集・韓国、激動の時代】
朝鮮戦争やベトナム戦争に巻き込まれながら、激動の時代をただ家族のために必死に生き抜いた一人の男の生涯を描く韓国版『フォレスト・ガンプ』の大河ドラマ。

一つの家族がたどる韓国近代史。

韓国で公開当時、観客動員数が歴代第2位となる大ヒットを記録。朝鮮戦争で父や末の妹と生き別れになった男性の視点から韓国の20世紀後半を振り返る。

原題 『국제시장』/漢字 『國際市場』/英題 『Ode to My Father』

2014年韓国作品
監督 ユン・ジェギュン
脚本 パク・スジン
音楽 イ・ビョンウ
撮影 チェ・ヨンファン
出演 ファン・ジョンミン キム・ユンジャン オ・ダルス チョン・ジニョン チャン・ヨンナム

(WOWOW番組内容より)
朝鮮戦争中に行われた「興南撤収作戦」がもたらした混乱の中、ドクス少年は父親と"ある約束“”を交わしたのを最後に、父親や末娘と離れ離れになり、母親や弟妹2人とともに避難民となって釜山で暮らすようになる。大人になったドクス(ジョンミン)は家計を支えようと、西ドイツの炭鉱に出稼ぎに行ったり、ベトナム戦争の戦場で民間技術者として働くが、そのどちらでも命を落としかねない非常事態に見舞われていき……。

オープニングは現在の韓国。
釜山の市場の活気ある街が映し出される中、そこを蝶が舞いながら始まるオープニングは『フォレスト・ガンプ』を思わせ、韓国近代史を描くんだなと予想出来る。

主演のドクス役は、ファン・ジョンミン。
『黒金星』の主役の人‼️
本作では優しい雰囲気でまた違った役柄。青年期から現在の老人まで頑張っている。

そして今回、一番気になったのが、奥さんとなるヨンジャ役キム・ユンジャン。
看護師の頃の清楚な雰囲気と結婚してからのドクスを支えるしっかり者。ベトナムに行った夫を待ちわびながら、残された店の切り盛りと、隣の店の奥さんと取っ組み合いの喧嘩のシーンは迫力‼️

2人とも青年期から現在までも本人たちが演じ、老け役メイクで頑張ってます。

朝鮮戦争の混乱の中、ドクス少年一家は離散し、父と末娘と生き別れ一家は叔母のいる釜山にたどり着く。釜山での日常描写は、さながら敗戦後の米軍占領下の日本を思わせる、"ギブ・ミー・チョコ”の場面。

幼い子供ながら長男として一家を支えると、父と約束したドクスは、成長し、西ドイツの炭鉱へ出稼ぎへ。当時、家族を支えるため出稼ぎ労働をしていた事実。

炭鉱事故で九死に一生を得たドクス。そして同じ韓国人として看護学校で同様に厳しい看護の仕事をしていたヨンジャ(ユンジャン)との出会いと結婚。

結婚式後の披露宴でヨンジャが無理やり歌わされる"黄色いシャツの男“は、当時、日本でも流行ったヒット曲。
リアルでは知らないが、聴いた事がある曲で思わず聴き入った。
ヨンジャの歌は、聴いてのお楽しみ⁈

ベトナム戦争に軍属の技術者として参加するドクスと親友ダルグ(ダルス)。ダルスがいい和ませ役でドイツでは韓国人同士のパーティで屈強なドイツ人女性に貞操を奪われたり、ベトナムでは、チャッカリ美人を奥さんに連れ帰ったりと、ほんわかキャラ。

ドクスが帰国後、家族も増えていくが、家族写真で必ず目を閉じてしまうエピソードなど。

終盤は、朝鮮戦争時の混乱で離散した家族を探すTV放送に、ドクスは、父と妹を探すため出演する。
果たして、生き別れた父と妹は見つかるのか?

朝鮮戦争での離散家族は多く、このように家族を探す人々は多かったのだろう。
終盤は、ついに涙腺崩壊‼️

父とドクスが別れる間際にした"ある約束“も明かされる。

所々、韓国の有名人が登場するが知識が乏しいため、全てがわかったか?
ドクス少年が釜山で出会った、現代グループの創業者やベトナムの戦場で元有名歌手の兵士など、少し『フォレスト・ガンプ』っぽい描写あり。

祖国を分断して、家族と離散し、場合により北と南に別れてしまった家族もいた朝鮮戦争。
今も38度線で分けられた国境が存在する韓国、北朝鮮の近代史も学べる。また韓国女性の強さも印象に残った作品でした。
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