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はじらいのsuのレビュー・感想・評価

はじらい(2006年製作の映画)
3.3
快楽に溺れる姿というタブーを監視されることで、恋心を女は抱くという筋がなんとも斬新に感じた。

哲学を持って、女性の性に迫れれば、女性からモテるという事か。

肉体を交わさずとも、女の肉体を弄んだというのは、結果として、精神的に女を弄んだというようにも言えなくもない。
それが恋愛感情に連絡するのだろうか。

確かに、恍惚な表情を浮かべた裸体の女がいたら、男根むき出しですぐに交わりを迫ろうとするのが男という本能だろう。
その本能に流れない男というのは、女からすると奇異なものに映り、変わった人として退けるか、受け容れるか、もしかすると紳士性をも見出すかも知れない。
それが恋愛感情にまで発展するかは分からないが、そういう気持ちになるのも分からなくはない。

そこには、ディグニティ、権威性というか、強靭な理智に裏打ちされた男としての強度を垣間見なくもない。

女の秘めたる性をみたからといって、すぐ射精したくなるような男は、本能の要請とは言え、なんだか軽佻浮華とも確かに思えなくはない。

そういう男の性的観念というものに問題提起もしているようで、それなりに楽しめた。

俯瞰すると、この作品では女性の性欲が強調されているのも面白い。「はじらい」という言葉は女性的に用いられる事が多いのだろうが、その言葉の印象を壊される感覚がエロスの正体とも思えるし、女性の性とはいつも貞操観念や処女性などの言葉があるように、男性のそれよりも丁重である。(童貞性とはあまり聞かない。)

はじらいこそエロスなのだろうか、そのはじらいを単に男根の虜として受け取らない男の事を女は好意的に思うのだろうか。
はじらいのある女性は美しいのだろうか。

シャーロット役のマルーシアデュブルイユが美しかった。
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