最近観た邦画で比類なくよかった。何といっても脚本がよい。1を言うのに、10の説明が常にあるような密度と重厚さ、だからと言って、小難しい語り口ではなく、小気味良さを忘れていない。飽きずに、セリフに引き込まれ、気が付いたら物語に引き込まれている。そんな体験ができる脚本。3つの物語をそれぞれ短編小説として読んでみたいとおもった。
3つとも物語の展開はよくあるもので、正直、起承転結は読めた。でも、脚本が優れているので、それよりもセリフに期待をしてしまい、そこから物語にどっぷり浸かって、気づいたらスクリーンに釘付けになっていた。濱口監督はきっととくに言葉を大切にする方なのだろうとおもった。ドライブマイカーもよくて、でも原作がご本人ではなく、濱口さん自身原作のものがどれほどのものか気になって観てみたけど、想像を遥かに超える良さで、海外で評価を受ける理由がとてもよく理解できた。
ほかの作品も観てみたい。