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エル ELLEのsuのネタバレレビュー・内容・結末

エル ELLE(2016年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

1 人に薦められる (0.8/1)
2 手元に置いておきたい(0.5/1)
3 良い意味で裏切られた (0.8/1)
4 発見がある(1/1)
5 その他 (0.5/1)
計 3.6

ベティ・ブルーの原作者の最新作ということで観てみた本作。
一見すると、かなり複雑で無理な設定に感じるところもあるかと思いきや、ミッシェルの過去がそれをうまい具合にすべて受け止めてしまうのだから、原作者のフィリップディジャンさんはすごいなあと。冒頭のレイプシーンで、何食わぬ顔で割れた皿を片付けるところから、この物語が普通じゃないってことわ十分に説明されていた気がする。そうやって観てみると、いろいろと価値観が揺さぶられるシーンが多かった。終始一貫、性には奔放なのはさすがフランスって感じ。警官は信用できないから頼らないといいながら、レイプ犯が死んだらさすがに頼ったり、(でも、質問に嘘はついていたか。)隣人のレイプ犯の妻には、一時でもあの人に応えてくれてありがとうと言われたり、夫と不倫していた友人に一緒に暮らそうかと言って物語が終わってみたり。いろいろあったけど、最終的には普通に平凡に戻っていくのがとても不思議な感覚で面白かった。いろいろなものを均す物語だと思った。しかしながら、ミッシェルは心も身体も強い人だったなと。殺人者の娘で会社のCEOをやって、不倫もする。でも、それがとても魅力的に見えるのは、嘘いつわりのない人間の姿だったからなのだろうなと。そして息子の役者さんがとてもよかった。とても自然にうまくいかない感じを上手に出していたと思った。やっぱりフランス映画はおもしろいなあと。
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