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ドライブ・マイ・カーのsuのネタバレレビュー・内容・結末

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

「女のいない男たち」のシェラザードの一部が取り入れられていたり、木野のハイライトなセリフが入っていたり、短編をまるっと読んでいると「おやっ」と何か見つけるたのしさがあった。そして、これはどうなんだろうと思ったのが2点。もちろん、原作ベースの前提が理由ということもあるのだろうけれど、緑内障のくだりがとても中途半端な印象だった。原作ではこれが渡利との出会いの理由になるのだが、本作は演劇祭のアーティストは運転しないルールでドライバーをつける必要で渡利と出会うことになる。と、途中まで観ながら思ってたが、ラストシーンで渡利が1人で家福の車を運転していたので、きっと緑内障が進行して運転ができなくなって家福が渡利に譲ったのだろうと思わせる筋なんだと納得してみた。あとは一般人のパパラッチを追っかけていって数秒ほど消えた高槻の顔面殴打が致命傷になったのはちょっとどうかなと。高槻のプロフィールが元ボクサーとかあるならまだわかるが、数十秒で何食わぬ顔で戻ってきて、拳に怪我もなく相手に致命傷を負わせるのってゾルディック家の一族かよ。ツッコミたくもなる部分もあるけど、3時間飽きずみ観られたのは脚本がよいからだと思った。内容は静かだけど、テンポはいい。編集もよいのだろう。
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