Kota

リトル・ボーイ 小さなボクと戦争のKotaのレビュー・感想・評価

3.8
“信じるのは勇気がいること。”

第二次世界大戦下のカリフォルニアの田舎町で、背が低くリトルボーイと呼ばれているペッパー。唯一の相棒である父親が戦争に派兵され、大好きな父親を呼び戻すためにペッパーは自分には戦争を終わらせる力があると信じ続ける。

第二次世界大戦を子供の目線で映す少し明るいトーンのスクリーンから戦争の悲惨さは直接感じない。しかし在米日本人のハシモト明らかに差別されている所や、母親の涙から戦争が垣間見える。原爆の“リトルボーイ”が戦争を終結させたのをこの映画のリトルボーイと掛けているところは日本人からすると何とも複雑な心境ではあった。戦場に行った本人ではなく、戦争が終わるのを待つ家族が主役な珍しい映画。

この映画の一番のメッセージは“信じること”の大切さ。ペッパーが自分に力があると信じ込み日本の方向に念力を送り続ける事も最後の展開も全ては偶然だったと言ってしまえばそれで終わりだが、ひたむきに見えないものを信じる事ができる強さ自体が何かを変えていくのだろう。「君がビンを動かしたいと強く願ったから、私がビンを動かすように君がさせた。それが信じる力だ。」
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