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奇跡のひと マリーとマルグリットのmimicotのレビュー・感想・評価

4.0
ヘレン・ケラーと同じ19世紀の末。フランスのポワティエ地方にもう1人の奇跡の人がいました。

生まれながらの盲ろうで、光も音も知らない14歳のマリー・ウルタンと、若くして不治の病にかかり命の限り、マリーに言葉の力と生きる喜びを教えたシスター・マグリットの実話ベースの感動の物語。

何も理解出来ないまま両親の元から離され、野生児のように暴れるマリーから伝わる恐怖心。その姿は、穢れを知らない動物のように見えて始まりから涙ぐんでしまった。
そんなマリーを包み込むような、深い緑が織りなす修道院の田舎風景がとても美しく優しかったです。

暗黒と静寂の世界にいるマリーは、手で触れた感触が全て。大好きな父親の顔に触れ愛おしむ様子が愛おしかったです。
初めは触れられることすら恐怖だったマグリットと繋がるのも手と手の感触。
想像を絶する苦悩にもめげずに、教育に全身全霊を徹した意志の強いマグリットもまた奇跡の人でした。

嫌だった靴を履いて階段を降りてくる姿
中庭で雪を感じるマリー
言葉を1つ覚えた瞬間
両親と会えた喜び
涙がポロポロ溢れてくる。

ラストのマグリットへの言葉...
その想いにもう涙が止まりません。

マリーを演じた、聾学校の学生アリーナ・リヴォアールさんの演技がとにかく素晴らしく、マリーの持つ純真無垢さが愛おしかったし、彼女の手話の演技は、声が聞こえてくるようでした。


のんchanへ
ほんと素晴らしい作品でした。
映画を観てこんなに泣いたの久しぶりです。
*:゚ ୨୧ありがとうございました୨୧*:゚
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