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ビハインド・ザ・サンのmimicotのレビュー・感想・評価

ビハインド・ザ・サン(2001年製作の映画)
3.8
二つの家族の間で繰り返される、土地を巡る終わりなき争い
憎しみは憎しみを呼び、仇討ちを宿命のごとく生きる息子たちの哀愁を帯びた兄弟愛がせつないです

満月の夜を超えたら...
旗みたいに掲揚された赤く染まった服
月明かりのように空を飛ぶサーカスの火吹き女クララ
神話みたいだと思った

けれどこれはアルバニアの作家イスマイル・カダレの小説『砕かれた四月』に基づくブラジルを舞台にした作品
"血の復讐"と称され、アルバニアでは中世から現在でも慣習として存続している
血讐の犠牲になるのではと怯えながら毎日を暮らす人々が実際にいるのだから、ただの映画として見れないものがありました
外からすると違法でも、地域の司法ではまかりとおっている...人間は恐ろしい


青い青い空、真っ白な雲、魂の川が干上がった名もない土地で、
兄と弟の胸の中の決意が芽をだして伸びていく

絵本の世界から人魚姫が現れる弟の豊かな空想力に泣きました
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