OASIS

ポルターガイストのOASISのネタバレレビュー・内容・結末

ポルターガイスト(2015年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

郊外に引越してきた一家を襲うポルターガイスト現象の恐怖を描いた1982年の作品、その名も「ポルターガイスト」のリメイク。
監督は「モンスターハウス」のギル・キーナン。

リメイク元は何年も前に観てもはやどんなのか忘れてしまったが、はてこんなにSF色が強いものだったか?と驚いた。
ポルターガイストを起こす霊のパワーってかなり物理的なものなんだな...。

仕事を失ったエリックは、一家を連れて安い物件を探し新たな生活をスタートさせるが、そこでは度々不思議な現象が起こるのだった...。
家中に強力な静電気が発生していたり、電気が勝手に点いたり消えたりという怪現象が頻発する中、両親はパーティーへ出かけてしまいマディソン、グリフィン、ケンドラの三兄妹のみで家の留守番をする事に。
地面から泥が溢れ手が襲いかかって来たり、ピエロの人形が勝手に動き出したり、巨大な木の枝に掴まれたりと両親がいない間に家の中では霊達が暴れまくる。
ピエロの人形はまだ分かるが「泥や木が襲ってくるのは果たしてポルターガイストと言えるのか?」という疑問も湧いてくるが、次々と恐ろしい事態に巻き込まれ、最も幼い妹のマディがテレビの中に閉じ込められてしまうまでを開始からおよそ30分で見せるというテンポの良さはリズミカルで気持ち良い。

テレビの中に囚われてしまったマディを助ける為、一家は心霊研究家達の力を借りる事に。
「インシディアス」や「死霊館」等近年のホラー映画のヒット作の流れであるゴーストバスターズチームの要素を取り入れつつ、その研究家達も霊のターゲットになってしまうという所も面白い。
壁の向こう側の手に掴まれた状態で電気ドリルが勝手に動いて...というシーンはハラハラするし思わずタマが縮みあがりそうになる怖さがある。
一発で頭に刺しても良い所を、わざわざ3.4回外して焦らして来る辺りが霊にしては憎い演出であった。

あちらの世界とこちらの世界とを結ぶ境界トンネルに囚われている事を知った専門家達は、人気除霊番組の主役に連絡を取り協力を依頼する。
ドローンを使って霊界に侵入するという今時の手法は古き良きホラーと
はマッチしていない気がするが、荒い映像を通して観る冥府の底を覗き見たような薄気味悪い映像が異世界に感じる恐怖を増していて良かった。

心霊研究家と人気除霊師の間に、過去に何らかのトラブルがあったという設定は必要だったのか?という疑問や、除霊師をわざわざもう一度あちら側に行かせて行方不明にし実は生きてますよ風な伏線を残したのは何故なのか?という続編を意識したラストは最後の最後になって腑に落ちなかった。

クローゼットに吸い込まれる映像や家が派手に吹っ飛ぶ映像はまるでSF映画のそれで、一軒の家の中での出来事とは思えないほど壮大。
そのわりに、向こう側に行く手段が太いロープ一本だったりするアナログな感じがチグハグな印象を受けるSFファンタジーホラーだった。
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