masat

新妻地獄のmasatのレビュー・感想・評価

新妻地獄(1975年製作の映画)
2.4
いったい私は何を探しているのか?
観客を主人公と同化させようと、巧みな構成で、スクリーンに引き込もうとする。
加藤彰監督って、そう言う人だったのか、と初めて発見した。ロマンポルノのデビュー作「恋狂い」(71)も、そんな映画だった。
いったい何が起きていたのか?を、カットバックにより探っていく。
そう、探っていく映画である。
肉体を使って、奥深くに踏み込んでいく、そんなイヤらしい映画を作る監督だ。
「愛に濡れたわたし」(73)も、居なくなった妻を探す不可思議な映画だった。

さて、谷ナオミの体に焼き付けられた、漲る性欲は、いったいいつ刻み付けられたものなのか?を観ている者が探れるように、まるで溺れるかのように自身の肉体を、男たちに貪らせる彼女の心理を見つめながら、ついソソリ勃つ自分を自覚する。
どれだけヤられても、埋まらない彼女の“穴”はなんなのか?
masat

masat