風の旅人

完全なるチェックメイトの風の旅人のレビュー・感想・評価

完全なるチェックメイト(2014年製作の映画)
4.0
ボビー・フィッシャーという名前は、僕のようなチェスに疎い門外漢でも知っている。
「天才」と呼ばれる人たちは、どこか他の人と違っていて、それ故誰にも理解されず、孤独に陥ることが多い。
ボビー・フィッシャーも例に漏れず、様々な奇行から「変人」と目される。
幼い頃のトラウマから、盗聴されているという妄想に囚われ、電話機を解体したり、少しの音にも神経過敏に反応し、無観客試合を要求する。
狂気と創造性の関係について考察したくなるほど、トビー・マグワイア演じるボビー・フィッシャーが魅力的で、ボビー・フィッシャーの狂気が感染したかのように、突如狂い始めるボリス・スパスキー(リーヴ・シュレイバー)の様子がリアルだった。
ただ映画としての面白さよりも、ボビー・フィッシャーの人生の面白さの方が勝っている感は否めない。
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