スズタカ

キング・オブ・エジプトのスズタカのレビュー・感想・評価

キング・オブ・エジプト(2016年製作の映画)
2.8
予告編を観て、"ロマンシング・ストーン 秘宝の谷"的な、冒険あり、ロマンスありの娯楽大作を期待していましたが…大きくズッコケました!(ー ー;)

古代エジプトなのに、ほぼ白人キャストが占めていたり、あり得ない建造物が建ち並んでいるトンデモ設定については、俺は見逃してあげます。

が、そういった史実がどうとかではなく、映画としての出来が悪い。特に映像による説明が下手なのが、致命的です。

今どういう状況なのか、何のために何をしてるのか、目的は何なのか不明であり、一体どこに向かっていて、今どこにいるのか位置関係なども…全く分かりません。

そのため、都度、その場の行動を見守るのみで、映画全体を通してのカタルシスや感情が抱きづらい。

だから、観ている側としては、物語に集中するのが困難で、興味を持続できません。

驚くほどの豪華キャストですが、スパルタ王やブラックパンサーを始め、キャスト陣のせっかくの魅力ある演技も、作り手側の演出が下手すぎです…。

ストーリーとしては、それほど複雑ではなく、古代エジプトで人間と共存している神々の覇権争いに、主人公の青年・ベックのラブストーリーが絡んでいく展開。

大元のストーリーの骨組みは、それで良いとして、そこから先の設定があまりにもお粗末です。

何か、全部が全部、見える範囲の設定だけしか決められていない。

そこから先の設定は何も考えられていない底の浅さが見て取れる。全部ボンヤリ設定で、すっごいモヤモヤしました。

また、ストーリー映画として出来が悪いだけでなく、宣伝で売りにしている、アトラクションムービーとしても、全く楽しめません。

宝探しのトリックが、ことごとく拍子抜けで、ドキドキ感が全くない残念さだったり…。

スフィンクスから出される問題が、小学生レベルの単なるナゾナゾだったり…もう、この辺りは失笑です。

神界で1番の知能を持つ"トト神"を相手に、ナゾナゾとか…どうなの(゚o゚;;

神様ホルスと盗賊ベックのバディ要素も活かせていないし、つくづく残念。

神様は、他者の色んな能力を自分に移植出来るとか面白い設定もあったし、作り手の実力があれば、もっと興奮できる冒険活劇に出来たであろう可能性は感じましたが、まぁ、全体的には文句を言い出したらキリがない状況です。

これは、とてもじゃないが、お薦めできないなぁ (-。-;
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