NinaSinnerman

リグレッションのNinaSinnermanのレビュー・感想・評価

リグレッション(2015年製作の映画)
3.6
イーサン・ホーク、エマ・ワトソン、デビッド・シューリス。
キャストだけで観る気になるメンツと、オカルトかヴィレッジミステリーかファムファタル系かよくわからんマユツバな予告編。

構図は刑事×心理学者×神父と悪しき父。
それぞれが己が正義に沿って虐げられた娘を救おうともがくプロット。
その娘というのが可憐で敬虔でひたすらに涙で語る(騙る・・おっと)からヒロイズムを刺激された男ほどなりふり構わず躍起になってしまう。
悪魔崇拝の報道も事件の裾野も終わりを見せず中盤まで拡大し続けるが、本当の悪、諸悪の根源(Evil itself=字幕では"純粋な悪"とだけ訳されていたけれど)はどこに・・というストーリー。

刑事は「被害者と犯人」という構図を求めるし、学者は(大抵発展途上の)学説を当てはめたがり、宗教は絶対で在りたがる。
エゴと紙一重の正義に翻弄されながら善く在りたいと願う人間にとって罪悪感ほど怖いものはないのかもしれない。

オカルトホラーな味付けも存分、ミステリーとしては構図がわかりやすいのでストーリー半ばで読めてはしまうけれどちょっとしたドッキリも挟まり、役者陣の演技も良くて最後まで楽しめた。

しかし、イーサン・ホーク、演技もルックスも、ホント無敵の役者だなぁ。
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