NinaSinnerman

オッペンハイマーのNinaSinnermanのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.2
Dolby Cinemaのプレミアシートで鑑賞したのが運の尽き。
ひたすら眠かった。
長いよ、3時間。

画としては感覚としての2/3くらいがほとんど抑揚なく、時間を前後しながらひたすらに言葉のみでの情報のやり取りが連綿と続く中で効果音ではなくBGMとしての音響が席が震えるほどデカいと台詞も内容も頭に入ってこないし、プレミアシートはスクリーンの中央に向いていて目で情報を追うにも辛い、シートは映画を観るには快適過ぎて眠くなる。

そもそもこの長さは本当に必要だったんだろうか。
オッペンハイマーという人間のいろんな能力や個性やクセや情のとっちらかり具合をキリアン・マーフィの硬直した顔に押し込め、演者たちの口からボロボロこぼれ続ける台詞に情報を詰め込んだ。
他にやりようはなかったのだろうかと甚だ疑問だ。

やっと終わった・・と安堵に塗れてぼけーっとエンドロールを見ていると、そこに羅列される演者への金のかけように驚いてやっと目が覚めた(笑)

でも名のある出演者が異常に多いのに、どこに誰がいたのかわかるなさ過ぎる。ダウニーJr.は名演と言えそうな気もするが、妙にヒステリックなシーンだけが印象に残るエミリー・ブラント、ゲイリー・オールドマンに気づかないのは不覚ながらも納得。フローレンス・ピュー、ケイシー・アフレック、マット・デイモン、ジョシュ・ハートネットはわかりやすかったが必要性を感じず、アレックス・ウルフなんてどこにいた???ケネス・ブラナーにも気づけず哀しくなった。

なんか様々に無駄な労力を注ぎ込まれ出来上がった金満な巨作・・
こんなcontroversialな人を描くにあたってこんな作り方で良かったとは思えない。
それをタダチケットもらったからってドルシネプレミアで観るなんざ、悪趣味の極みで不得でございました。
ノーランの名前にもいよいよケチがついたんじゃなかろーか。

スコアは普通に観れば(眠くなく、バカでかいBGMでなく、もう少し引きで観たとしたら)もう少しマシに観れたのかも、とほんの少し期待を込めて甘めに。
NinaSinnerman

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