原作は未読。
作品全体に重厚感のあるのは、ほとんどが主役級のベテラン俳優だけで構成されたからなのか、それともテーマが昭和64年の昭和天皇崩御の影にに隠された幻の誘拐殺人事件だったからなのか。
昭和64年と現在を両方描いているもののどちらにもこってりとした昭和感が残るのは、主人公たちが、この事件のあって昭和64年に閉じ込められているからなのでしょうが、同時に警察内部の薄汚れた体質が、14年経っても全く変わっていないという意味もあるのでしょうか。
失態を犯した刑事たちが罪を感じて職を追われようが、子供を失った雨宮さんの時間は戻ることは出来ず、救われない鬱屈とした永瀬正敏の演技はいたたまれない気持ちにさせられる。