さすらいの旅人

シグナルのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

シグナル(2014年製作の映画)
3.0
未知との遭遇はすべての謎を解くカギとなるか?  CATV/ザ・シネマHD録画視聴

本作の広告コピーは、【「第9地区」「クロニクル」を凌ぐ、SFスリラーの傑作】となっていたが、しかし…。

う~ん、何を言おうとしているのか分からないSF映画だ。
正直、説明が不足したまま展開するストーリーのせいか難解な作品と言える。
製作者は本格的SF映画を作りたいと思ったに違いないが、肝心の観客が置いてきぼりだ。
ただ、難解なSF映画が好きな方は、この映画の世界感にパズルを解くような至福の時間を楽しむだろう。

物語は学生たちが謎のハッカーを追ううちに、正体不明の何者かに接触。気付くとある施設に隔離されていたが、学生たちの身に変化が起こり始める…。
本作のジャンルはSFスリラーであるが、ラブロマンスやロードムービー、そして銃撃戦のアクションもあり、低予算の割にはお得感がある。
昔のテレビドラマ「トワイライト・ゾーン」「Xファイル」の未知なる世界のテイストもある。

本作品はどの映画サイトでも低評価である。おそらく説明不足と伏線の回収がうまくいかないモヤモヤ感が原因と思われる。また、ラストの「どんでん返し」のインパクトも弱かった気がする。

しかし、映像はスタイリッシュであり美しく、編集のカット割りも悪くない。特に学生たちが隔離されるまでの前半のスピーディーな展開は、画面にくぎ付けであり面白かった。
ストーリー展開にもう一つヒネリがあれば、コピー通り傑作SF映画になったかも知れない。