コミヤ

ワンダーウーマンのコミヤのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)
4.2
BvSで鮮烈なデビューを飾ったワンダーウーマンの前日譚。
不評続きだったDCEUについに現れた興行的にも評価的にも文句無しの快作!
マーベルでも女性のヒーローを主演にした作品はまだ出てないのに蓋を開けてみたらアメリカで2017年公開された映画で美女と野獣に続いて2番目の興行収入を叩き出す大ヒットに。現時点でDCEUの中でも歴代の女性監督の作品の中でも最高の成績!日本でも20億超えそうな出だしだそうです。

中盤までは今年ベスト出たんじゃないかってくらい楽しめた。今までの暗い画面が特徴のDCEUでは考えられないような青空と海が綺麗なダイアナの故郷のセミッシラの風景、それに対してあまりにダークで悲惨すぎる第一次世界大戦という舞台、BvSの時と違い笑っちゃうくらい純粋で真っ直ぐなダイアナのキャラクター、クリス・パイン演じるスティーブ筆頭にダイアナと戦地へ向かう5人のチーム感など最高だった。

特に仲間が怯む中先陣を切って梯子を登り戦場の最前線へと1人歩き出すダイアナの姿が本当に美しすぎたし、それに答えてスティーブたちが続いていくこのシーンは本作のベストシーンだと思う。(因みにこのシーンはスタジオの意向で無くなるかもしれなかったけど監督がスタジオの反対を押し切ってなんとか実現したそう。その話も少しワンダーウーマンというキャラクターと重なる)
その後の市街地でのザック・スナイダーお得意のスローと早送りを交互に使うダイアナ無双シーンではこの手のアクションは見慣れてるはずなのに見入ってしまった。またスティーブたちが持ってる木の板を踏み台にして敵がいる塔へとジャンプするシーンも色んな意味が込められてそうで印象深い。

このように中盤まではひたすら最高だったけど後半は少し冷めてしまい普通のヒーロー映画に思えてしまった。
個性豊かだったチームのメンバーたちの活躍や葛藤の克服を後半で見られると思ったらスティーブ以外物凄く影が薄くなってしまったのが不満。せっかくトレインスポッティングのスパッド役の人出てたのに…
また普段なら強いラスボス戦は大好物なのだが今回だけはあまり乗れなかった。まず無理矢理感が凄いし、せっかく恐ろしくてとても良いキャラクターだったルーデンドルフやドクター・ポイズンがこいつのせいでしょぼく思えてしまった。またこいつの出現でスティーブがダイアナに守れと言った世界と実際に彼女が守った世界が違ってしまうことになるので本作の人間賛歌というメッセージ性も弱くなってしまうんじゃないでしょうか?スティーブのキャラクターも最高だった分それが物凄く不満だった。ここは本当に監督が撮りたかったシーンなのかそれともスタジオの意向で撮られたシーンなのか気になる。

最後は不満だったけど間違いなく一定水準以上によくできて少し大人な作品だったのでなんだかんだで大満足!
コミヤ

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