ガル・ガドットが演じているワンダーウーマン自体は、凛々しく美しい気高さがとても魅力的でしたが、肝心の映画自体の出来が良くない…。
演出や構成・編集など、下手だなぁと思うと共に、非常にバランスが悪いと感じました。
先ず、何でメインのストーリーを、過去の話にしてしまったのでしょうか?
それ自体、あまり好みではありませんが、決して過去の話が全部ダメだという訳ではありません。本作はシーン構成が致命的に下手だから、ダメなんです。
本作は、冒頭で現代の元気な姿の主人公が、昔のことを回想し始めて、本編の過去のストーリーが始まるので、ストーリー中で、どんなピンチになったとしても、何にも心配にならないでしょう??
だって、今の主人公が元気なことを、観客は知っているのだから。
そんな状況で、スリルも何もあったものじゃない。ドキドキ、ワクワクする訳ないじゃん!
冒頭の、現代の主人公が過去を回想し始めた…という数分のシーンをカットして、過去シーンから始めていれば、回避できたことでしょう?
それすら分かっていないし、それが、この映画の編集で重大なことだと気付いていないのは、非常に痛いですね。
現代の主人公を出したければ、メインのストーリーが終わった後で、実はこれまでの話は主人公が回想していた話なんですよ、という見せ方をすれば良かったんですよ。
また、だいたいの設定を『モアナと伝説の海』から拝借しているのは、何なの??意味の分からなさで苦笑。何で、モアナなの…(°_°)??
で、その超ファンタジックなモアナ設定に、現実的な戦争表現を入れ込んだりしているので、別々の映画のシーンをパッチワークのように繋いだみたいな、食い合わせの悪さ。
で、戦闘シーンはリアルな感じで行くのかなと思いきや、敵の軍隊は、総攻撃しても全員が、ワンダーウーマンの小さな盾に向かってしか、攻撃しないファンタジー。
リアリティラインがシーンごとでバラバラで、何を信じて良いのか、全く分からない。
クライマックスに向けて、ドラゴンボール化が加速し始めて…武空術で空を飛び始めた際には、もう、めまいがしました…。
だいたい、最近のDCコミックス系の映画は、トーンを暗くすることと、ダークさ・リアルさは違うということも、区別出来ていないし…。
そもそも、今時のヒーロー映画に、そんな陰鬱な演出はいらないし、誰も求めていないよ。いい加減、気づかないとマズイですよ。
このままでは、ジャスティス・リーグも、全く期待できないよ。
心配ばかりが募りますよ…既にムビチケカード買ってしまっているのだけれど、どうしよう…苦笑(^^;;