このレビューはネタバレを含みます
日本語字幕で鑑賞。
エディ・レッドメイン扮するアイナー/リリー。そして、アリシア・ヴィキャンデル扮するゲルダ。ふたりの、いや三人の互いを愛するが故の葛藤に、やるせない感情でいっぱいになった。
ゲルダの愛は大きく、愛する夫を一番に思い、愛する人の身体に宿るもうひとつの人格の存在に気づいて困惑する。夫であって、夫でないその人格は徐々に自我を強めていき、女性になるための手術を受けることを決める。
ゲルダは、たしかに夫の身体に宿るリリーのことも慈しみ、尊重するようになっていく。
ゲルダは、愛する人が旅立つ時、リリーの名前しか呼ばなかった。愛する人は、「リリー」になったのだ。
ひとつの身体に、最初からふたつの魂があったのか。それとも、ひとつの身体にひとつの魂があって、あとからもうひとつが生まれたのか。
いずれにせよ、辛いことだ。どちらの魂も。ふたつの魂と触れ合い、愛する魂も。身体がふたつあったらよかったのに。
でも、もし本当に身体が別々にあったなら、ふたりはどちらもその人ではなかったのかもしれない。
エンドロールの中、そんなことを考えていた。