misa

リリーのすべてのmisaのネタバレレビュー・内容・結末

リリーのすべて(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

正直私は結構好きだった。
期待しすぎたって声が多かったので、そんなよくないのかなと思ってたけど。
最近セクシュアリティに関する映画すごく多い中で、割と真正面からぶつかっていったなっていう印象。
例えばドランは、もう少しファンタジックに描くし、それは多分当事者だからだと思う。これは実在した人を、当事者でない人が描くからこそ緊張感をもって繊細に丁寧に描いた感じ。そしてドランの映画はセクシュアリティに関わらず愛情とは何かについて、ということを考えさせられるけど、これは逆にセクシュアリティについて考えさせられた。
ゲルダ役のアリシアの演技すごく良かったし、脚本がとても良かったとおもう。感情を直接的に言説的にしてなくて、私はゲルダにとても感情移入したし、どちらかというとゲルダの物語だと思った。エディレッドメインは役作りをとても丁寧にしていて、だからこそゲルダに感情移入できた。
中性的でいたいと思うことが多いからか、女性性について完全に第三者になれないって分かりながらも考えることが多くあるけれど、物語の中のリリーのように、綺麗な服を纏うことはそれを助長するし、ゲルダのように、ある種母性のような感情をもって恋人を思うことがある気がする。だからゲルダはリリーの女性性の芽生えを敏感に察知できただろうし、そういう意味で女性の方がこの映画を緊張感を持って観ることができると思う。こういう時代があったからこそ今テレビで所謂オネエタレントの人たちがここまで受け入れられているし、ある程度分かりやすい映画でそれを描いてるのは、社会的にとても意味のあることなんじゃないかなと思いました。
misa

misa