軽蔑する女と、軽蔑される男の話。軽蔑する理由は死んでも言えない‥のだそうです。
フランス語、英語、イタリア語。今作には、誰かが話すたびに通訳を必要とし、話せば話すほど“溝”が深まってゆく心理描写の面白さがある。
男女のくだらない口論とは全く関係の無いところで流れ続ける、感動的な音楽も不気味で楽しい。
感情を誘導するものではなく、考えることを遮断させる音楽。
観る者にやさしくない、誰のものかもわからない回想シーン。
複雑な女心を形にしたかのような、最後まで全貌が把握できない建物。
‥ゴダールは、違和感を作って観客の心をゴワつかせる天才。
なぜ、誰もが持っている“感情とも思わない感情”を、映画という作品に作り変えることができるのだろう。
それにしてもブリジット・バルドーの裸体。そのものが芸術。