スズタカ

ゴーストバスターズのスズタカのレビュー・感想・評価

ゴーストバスターズ(2016年製作の映画)
3.5
総合的な評価としては"平凡な映画"ですが、それが非常に勿体ない。

もっと、素晴らしい作品に出来たであろう可能性が、たくさん感じられました。

まず、キャスティングが素晴らしいです。主要キャスト達が一緒にいるだけで、とても良い化学反応が起きており、優れた日常系アニメのように、何事も起こらずとも、皆んなが会話をしているだけで充分、楽しく微笑ましい。

また、脚本も悪くないと思います。大枠で前シリーズ1作目の流れを踏襲し過ぎかな、とも思いましたが、展開として、主人公たちを、普通の状態から → 少し落とす → 普通より少し上まで上げる → どん底 に落とす→ そこから再起をかけて1発逆転を狙う! 非常にカタルシスのある展開です。

クライマックスに向かって、事態がどんどん拡大して行く展開や、その全てのきっかけがゴーストであることにも、好感を持ちました。

ただ、褒められるのはここまで。上記した良いところを、演出面の技術とセンスの無さが、台無しにしています。

演出技術の無さから、全体的に、見所として決めるべきシーンで見映えのする魅力的な演出が出来ておらず、メリハリが無くボンヤリしてしまっています。そのため、気持ちもあまり盛り上がりませんでした…。

また、センスが無いなぁ〜と思ったのが、前シリーズへのオマージュのやり方。

ブロンズ像として1カット映り込ませたところまでは感心していられましたが、その後、しつこい程にカメオ出演が続きます。

これ、ファンサービスのつもりだろうけど、今回のキャストたちのフレッシュさを帳消しにしたうえ、テンポも悪くなり、全部ノイズになっていましたよ…。

バスターズのロゴマークが決まった経緯も分からないし、音楽の使い方なんて最低だよ。あのテーマ曲がかかったら盛り上がるに決まっているけど、出動するたびに、毎回かけてたら効果なくなりますよ。

あのテーマ曲は、クライマックスの出動まで、取っておくべきだった。それなら、どれだけラストが盛り上がったかと思うと、残念で仕方ありません。

もっともっと、良くなる可能性があったのに、監督の実力とセンスの無さが台無しにした。そんな残念な映画でしたね。
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